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少しだけ
これから来週の日曜日まで
《note》から離れようと思います
来週の月曜日からまた
小説の投稿をしようと思います
その間全く開くつもりはないので
お邪魔することもしないで
失礼致します
その後再開したら
またお邪魔しますので
よろしくお願いします
rian
6 使用人達の私生活 (6)
執事―ロダンは、セル氏と同じく42歳であるが、未だ独身。
使用人の仲間内では、彼が結婚するという事はほぼ無いであろうと、専らの噂である。
いつそんな時間があるのかと不思議なのだが、音楽にしても読書にしても、それを趣味として誇っている人とも、対等に話が進められ、他のあらゆる専門分野に関しても、充分に精通した知識を併せ持っている。
所謂『博識』なのである。
かと言って、仕事人間であるとか、堅物である
6 使用人達の私生活 (5)
担当編集者―マカトは35歳で、これまた独身である。
バーンズ家にかかわる人々の独身率の高さは、主であるセル氏の影響からくるものなのだろうか。
いやはや、単なる偶然からくるものであろうか、ここでは敢えて謎という事にしておこう。
そんな事はお構いなしに、マカトは今一番仕事が楽しくなってきている。
まだ彼の頭の中には『結婚』という文字はない。
普段はアパートで独り暮らしを謳歌していて、思い立った時直ぐに
6 使用人達の私生活 (4)
調理師―ポルカは45歳にして未だ独身である。
屋敷で住み込みで働いている為、どうしても外部との接触は少なくなる。
だがそんなポルカに、最近彼女ができたのである。
今までは仕事が終わると自室に戻り、ワインや外国酒の飲み比べをして楽しむのが常であったが、最近は彼女と電話で話をしながら、酒をちびちびと楽しむような生活へと一変している。
彼女と知り合ったのは、昔の調理師仲間と久々に行ったワンショットバー
6 使用人達の私生活 (3)
運転手―ネルも通いのメンバーの一人である。
38歳のネルには3歳年下の妻エミリーとの間に、10歳の長女を筆頭に5歳、3歳の男の子が2人。計3人の子供が居る。
屋敷から車で15分ほどの、小さな商店街を過ぎると住宅地が広がる。
その住宅地の一角に一軒家を購入して、家族5人が住んでいる。
真ん中の息子が生まれた5年前に奮発して買ったこの家は、ネルの拘りが至る所に散りばめられている。
上品でセンスの良い
【創作大賞2024 エッセイ部門】『喜』・『怒』・『哀』・『楽』を含めた全ての感情たち
『喜』
喜び。
高校生の頃、部活動の大会に向けてのレギュラーを取ることが出来た時。
私は人目も憚らず喜んだ。嬉しかったから。
でもそれを咎められた。
「ああいうのはあんまり良くないよ、レギュラーになれなかった子も居るんだから」
そんな事は解っていた。
それを言う前に、私がレギュラーになれないように、入ってはいけない応援団に知らない間に私の名前を勝手に登録した他の部員やクラスメート、訳も聞かずにそれ
6 使用人達の私生活 (2)
家政婦―ミズリは、屋敷から歩いて10分程の所にある長屋に住んでいる。
この長屋は、家族用、一人暮らし用の2種類の造りとなっている。
ミズリは独身なので、一人暮らし用の長屋の一軒を借りて住んでいる。
玄関を入ると食堂と居間が兼用の空間があり、その奥が寝室とクローゼットになっている。小さな台所に洗面所、そしてトイレとシャワーはあるものの、共同で使える炊事場と洗濯室があり、大きな風呂も隣接されている。
6 使用人達の私生活 (1)
バーンズ家の使用人達は、通いと住み込みが半々の割合となっている。
庭師―バンサは徒歩で7~8分の所にある小さな一軒家に、妻のシェリーと2人で暮らしている。
息子2人長男と次男、そして末娘の長女の3人の子供達はそれぞれ結婚し、独立して暮らしている。
以前はもう少し離れた土地に広い一軒家を構えていたが、子供たちが独立をし、近い処で居を構えた時点で、屋敷に近い今の土地を購入し、夫婦2人が快適に過ごせる
5 セル氏の仕事 (5)
「どうぞ」
と言う編集担当者―マカトの合図と共に、セル氏が空で文章を読み上げ始めた。
それと共に、マカトの指がノートパソコンのキーボードを弾く。
これがセル氏の執筆の形式である。
6年もの間で、「遅筆」の穴を埋めるべく、2人が編み出した手法。
タイピングの早さに定評があったマカトが挑戦してみると、意外にも同時進行が可能であることが判明した。
ボイスレコーダーは万が一の時の備えでこそあれ、ほ
次なるコンテストに向けて書き始めた。
頭の中でまとめたものが、活字になっていく瞬間が堪らなく好きだ。
ブラインドタッチとは程遠い速度で進んで行く様は、滑稽だが。
これも少しずつ早くなってくれる事を祈りながら、日々精進。
5 セル氏の仕事 (4)
編集担当者―マカトが屋敷にやって来ると、軽く2ヶ月ほどは滞在する。
その間屋根裏の空き部屋を宛がってもらい、ロダン達と寝食を共にする。
その為『6人目の使用人』という異名を持って扱われている。
今回からはイーリッヒにとっても、又とない機会となりそうだ。
いよいよ本格的に執筆活動を始めた彼にとっては、編集者であるマカトが身近に居るという事は、今までよりも更に小説家への道が現実味を帯びてくるようで、
次なる目標を見つけて数日経った。
今はまだ纏まっていない。
ゆっくりと纏めていきたいという、この感覚。
尊重してあげる事としよう。
どんなものに仕上がるかはまだ未知数。
それさえも楽しみながら、眠りに就こう。
明日は明日の風が吹く。
5 セル氏の仕事 (3)
編集担当者―マカトが一気に地下まで駆け下りていくと、2つのティーカップをのせたトレイを持ったロダンとばったり会った。
「マカトさん、こちらで飲まれますか?」と言い、使用人ホールのテーブルに目を移すロダンに、
「うん、久しぶりにここで寛がせてもらえるかい?どうもここは居心地が良すぎる。」
と言い、もう椅子にちゃっかり座っているマカト。
また吹き出しそうになるのを必死に抑え、ロダンは、
「勿
ここのところ、悶々とする事が多発している。
なんだかなぁ〜、なんでかなぁ〜。
ここいらでちょっと、気持ちの切り替えが必要。
思いっきり寝てみたい!
そうだ、思いっきり寝てみよう!!
明日はどっぷり小説の世界に入り込んで、好きな物食べたり飲んだりして、うん、そうしよう!!
私の血肉となった経験と小説たち
私は小説というものにとり憑かれてからまだ15年程と、生きた年数からは途方も無く短い期間しか経っていない。
更に『遅読』であり、『再読』の常習犯だ。
子供の頃から何度となく小説に手を伸ばそうとはしたものの、悉く私がスラスラと、又はどっぷりとハマるような小説には出会えず、学生時代を終えてしまった。
今になって気付くのだが、あの頃私がもしファンタジー小説と出会っていたら、きっと本の虫になっていて、敷