能登半島地震。それ以降の入浴などに関して。
■入浴が不自由に
2024年1月1月の能登半島地震の時、長期の断水となり、困った事がありました。
生活上、水を使う事といえば、手洗い、料理、トイレ、洗濯、入浴などがあります。
このうちの入浴について、自由に出来なくなった事が、非常に辛いものがありました。
入浴なしに何日も過ごすと、頭などが非常に痒くなったりして、不快な状態でした。
■私の家の場合
私の家では、近くに、井戸がありました。
私の家族は、そこから引いた水を利用する事が出来ました。
手洗い、料理、トイレ、洗濯などなら、どうにか、なったのです。
地震発生から、しばらくして、電気も通うようになりました。
ガスも大丈夫でした。
このため、私の母は、以下のような工夫をして、断水時の入浴を、可能にしていました。
鍋に、井戸水を沸騰させたものを用意します。
それを、大きめのバケツに入れます。
そのままでは熱過ぎるので、常温の井戸水を入れ、温度を調節します。
これを風呂場で湯桶代わりの容器で掬いながら、頭や体を洗うのです。
湯が足りなくなると、また、井戸水を沸騰させたものを用意します。
一見、無理がありそうですが、
独りではなく、協力してくれる家族がいれば、可能になる方法です。
断水ではない時に較べると、湯というものが、これほど非常に貴重なものに感じた事はありません。
このキャンプ生活のような方法で、頭を洗うだけでも、かなり、すっきりしました。
■自衛隊の無料の入浴施設
その後、私の暮らしている地区では、1月9日から、無料の入浴施設を利用する事が可能になりました。
それは、どのようなものかというと、災害救助に派遣された、自衛隊によるもので、以下のような簡易なものです。
アウトドアの遊具に、子供用のビニール製小型プールがありますが、
更に、それを大きくしたようなものを、浴槽代わりにして使う、というものです。
水は、自衛隊が貯水したものを使用します。
別に、井戸水を沸かすなどの方法をしなくてもよくなった訳です。
しかし、無料の入浴施設は、利用の希望者が多く、混雑する場合があります。
他に、入浴者同士が、互いに同性であっても、知らない者に、あまり、裸を見られたくない、という気持ちもあります。
結局、私は、家で、井戸水を沸かす方法を利用していました。
■自衛隊の入浴施設を利用した兄
私には、別の場所に暮らす兄がいます。
兄は、自衛隊の無料の入浴施設を、即座に利用しました。
兄は、長い間、入浴していない不快感には、替えられないという感じでした。
兄は、結婚していて、相手は、珠洲市出身の人です。
兄の嫁も、何度か、自衛隊の無料の入浴施設を利用した事がありました。
■自衛隊の入浴施設付近で、車の鍵を紛失してしまった、兄の嫁の父親
兄の嫁は、珠洲市の出身で、父親がいます。
兄の嫁の父親は、珠洲市にある家について、
壁が落ちたり、窓が割れるなど、かなり、地震の被害を受けました。
それで、一時的に、兄の家に生活していました。
兄の嫁の父親は、自衛隊の入浴施設にも行ったのですが、
そこのどこかで、自分の車の鍵を落としてしまいました。
自衛隊の人にも探してもらいましたが、
結局、車の鍵は見つからないままになっています。
自衛隊の入浴施設は、一般の入浴施設とは違い、テントのようになっています。
荷物預かりのロッカーなどがなく、せいぜいが、脱衣用の籠くらいです。
おそらく、上着か、ズボンのポケットにでも車の鍵を入れていたのが、どこかに落ちてしまったのでしょう。
そのために、このような事が起きてしまったのだと思います。
■無料の入浴施設の制約
無料の入浴施設について、いくつか制約がありました。
利用は、一回、二十分以内という事でした。
他に、施設全体の開始と、終了の時間が、決まっています。
場所によって、違いがあったりしますが、大体、以下のようなものでした。
・午前10時~午後 9時
後々、開始の、初めの一時間は、「要介護の方や、お年寄りが優先」という事になったりしました。
この事を考えても、自分の家で入浴が出来るのなら、あまり、利用しない方が、よかったのです。
■普通の入浴をしたい私の母
私の母は、女性なので、やはり、普通の入浴がしたいようでした。
他に、私の母は、高齢で、痩せ気味です。
そのため、冬場の寒さに耐えられないという事もあります。
それで、キャンプのような、湯沸かしの方法では、無理があるのです。
ちょうどよい事に、自衛隊の入浴施設の経験者に、私の兄の嫁がいました。
私の母は、私の兄の嫁と一緒に、そこを利用する事にしました。
■私の地区で断水が解消された日
その後、1月22日頃、私の住んでいる地区では、断水が解消されました。
つまり、手洗い、料理、トイレ、洗濯、入浴にも困らなくなった訳です。
その間の体験は、あまり、楽しい体験ではありませんでした。
しかし、家屋が倒壊したり、もしくは、未だ、断水が続き、避難所に暮らす人に較べると、私は、まだ、ましな方です。
早く、全ての地区の断水などが解消される事を願います。