嘘部一族と半村良

『嘘解きレトリック』の第1話を見ていて、ヒロインが他人の嘘に気づくが、自分は嘘を言うというジレンマに陥ることで、今後の物語での展開を保証する一点が設定されているのに少々感心した。葛藤をもたない主人公に共感はわかないだろう。

では、そんな嘘を解くヒロインにとって最強となる相手として、ふと思い浮かんだのが、半村良の嘘部シリーズだった。『闇の中の系図』『闇の中の黄金』『闇の中の哄笑』と続く。嘘をつくことを生業とする一族が日本の歴史を裏からあやつるという伝奇小説であり、どうやら現在はkindle版くらいしか入手できないようだ。

半村の仕事はもっと再評価されていいと思う。直木賞をとった風俗小説の書き手ではなくて、やはり現代の伝奇小説に大きな影響を与えた作家として重要ではないか。





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