「深い時間」「ディープ・タイム」ー"deep time"覚書
訳語があまり定まっていないのが、"deep time"だろう。この40年ほどあちこちで使用さているのだが、どうやら日本では「ディープ・タイム」とカタカナで使用される事が多い。内実に関しては、Wikipediaの英語版が説明してくれている。
人類史だけを考えるという時間のスケールを超えることが、deep timeの目的となる。これがディープエコロジーや新人世などの考え方の基盤となる。また「惑星」という概念を導入して来る理由ともなる。
提唱したのは、邦訳も多数あるナチュラリストであるジョン・マクフィー(John McPhee)。1981年に『ニューヨーカー』に掲載した記事による。現在”Annals of the Former World”に入っている。OEDも現在の用法としては、これを初出としている。
Wai Chee Dimock(2001) "Deep Time: American Literature and World History" →Florian Mussgnug(2018)"Planetary Figurations: Intensive Genre in World Literature” planet turnなどでのDimockの位置づけ。
ShaunAnne Tangney (2004) "A Divine Physical World: Catastrophic Geology and Jeffers Country" Tor Houseで知られる詩人を扱う。
ChristopherLloyd (2008) "Past, Present, and Future in the Global Expansion of Capitalism: Learning From The Deep and Surface Times of Societal Evolution and the Conjunctures of History"
Ivanchikova, A., (2018) “Geomediations in the Anthropocene: Fictions of the Geologic Turn” アトウッドなどの小説を扱う。