モネの雪景色の「カササギ」
暑いので、冬の絵を。モネの「カササギ」1868-9。明治維新のころの絵である。構図といい、雪に落ちる影といい、見事である。
美術史的には外光派のウジェーヌ・ブーダンに屋外で描くことを勧められて描くようになったとされる。むろん、チューブの絵の具やイーゼルの発明という補助道具があったせいである。カメラの時代になっていたが、色彩を伴う表現はまだできなかったわけだ。
ブーダンが描いた絵には海岸や帆船といったモチーフが多いので、雪のような景色をモネが描いたことはどう考えていたのだろうか。
ほぼ同じ頃の絵で、ブーダンがモネたちから学んだ気配もある。白の使い方が似ているようでずいぶんと異なるのも興味深い。