ストリングス音源の打ち込み時短化
各社からストリングス音源がいろいろと発売されていますが、最近のトレンドは『時短』ですかね。私は以下のVSL製品をもっていますが、最大の課題は手間のかかるアーティキュレーション(音色の切替え)の選択をどうするのかということです。
VSL SYNCHRON-ized Solo Strings
VSL SYNCHRON-ized Dimension Strings
VSLは音色が豊富にあるのはいいですが、音色の切り替えが鬼仕様。こんな状態で無理して打ち込みを続けていくと鬱になりそうです。なのでストレスが溜まりしばらくSSDの肥やしになってましたが、Digital Peformerの最新アップデートで『アーティキュレーション・マップ』が搭載されたおかげで劇的に楽に音色切替えができるようになりました。まさに神のアップデートですね。
ただ、残念なことにこの『アーティキュレーション・マップ』はすべて1から入力する仕様だったので当初は絶望感すら感じましたが、忍耐しながらこのマップを作成しておくことによって劇的な時短になることがわかり、最近では積極的に使うようにしております。
さて勘の鋭い人はわかると思うのですが、『アーティキュレーション・マップ』ファイルって、実はテキストファイルでなんですよ。つまり一つ作成してコピーして、これをもとにテキストエディッターで修正が可能ということです。
テキストなので検索置換できることができることがミソ
テキストエディッターの検索置換を使ってパッチ名を統一できたり、CCの値を一気に変更するとかできるのですよ。UNIXの知識がある方ならsed,awk,perlなどを使うとさらに劇的に時短できます。
え~まだその凄さがわかりませんか?
例えば、第一バイオリンの『アーティキュレーション・マップ』を作成すれば、Vn.dpartmapのようなファイルが自動作成されますが、そのファイルをコピーしてテキストファイルで開いて検索置換で修正していけば、第二バイオリン、ヴィオラ、チェロ、コントラバス用の『アーティキュレーション・マップ』もすぐに作れるということですよ。
モーツアルトやハイドンの場合、チェロパートとコントラバスパートは基本同じなので、最初にチェロパートの『アーティキュレーション・マップ』を作成して、テキスト上でオクターブ下に検索置換、そのファイルをコピーしてあげればチェロのアーティキュレーションもコピーしてコントラバスのマップが作れるので凄い時短になります。
えらいぞMOTU。あとは『アーティキュレーション』のみ『ヴェロシティ』のみ、『デュレーション』のみをコピー&ペーストできる機能があればさらによいのですけどね。
編集後記
SYNCHRON-ized Dimension Stringsはかなり優秀なストリングス音源だと思うのですが人気がないですよね。おそらくパッチチェンジが複雑怪奇なのが原因かと思いますが、DPの『アーティキュレーション・マップ』によって解消されたので凄く使いやすくなりました。他のDAWでは『アーティキュレーションID』による時短ができるようです。
Dimension Stringsの良いところは、奏法が各楽器で完全に統一されており、クラシック音楽で多用される派手さのない地味な音色が豊富にあることです。これにくらべてSYNCHRON-ized Solo Stringsは奏法が統一されておらず使い難いです。せめてファーストバイオリンとセカンドバイオリンは統一してほしいですよね。セカンドは音色が限定されており使い難いです。使い勝手のよいHashSpicatoとSulTastは全部の音色に欲しかったですね。
Dimension StringsやSolo Stringsで作った作品はここに掲載しておりますのでご参考まで。