24時間耐久80km歩行
こんにちは。
新留です。
先日の授業でのこと。
国語の読解のテストに恩田陸さんの『夜のピクニック』を出題していました。
本屋大賞を受賞したり、映画化もされたりと人気だった作品ですが、
設定はというと、高校生が高校の伝統行事「歩行祭」で全員で朝から24時間かけて80kmを歩くというもの。
すると、状況説明を読んだ5年生の男の子が、
「こんなん拷問やん」
と一言。
・・・たしかに(笑)
高校生が学校のイベントでみんなで24時間かけて80kmを歩く。
冷静に考えると、なぜ? という感じです。
昭和マインドな僕らはこういうのを「忍耐力が…」「団結力が…」と美談にしがちだし、
ジャンプ世代としてはこういう体育会系なノリが好きな人も多いと思いますが、
十分な睡眠時間は脳と身体のためにも大切だし、
身体が強い子も、弱い子も、持病のある子もいるだろうし、
80kmという距離に意味があるのかもわかりません。
きっと、ないでしょう(笑)
(実際、昔よくやらされた長距離走というのも、今では筋肉を鍛えるという意味ではむしろ有害と言われていたりしますし、野球選手も、マラソン選手も、走り込み、投げ込み大好きな高校野球などでも、ウェイトトレーニング主体のところが増えてきていたりします)
文中で、寝たりするための休憩所である坂の上の中学校に着き、主人公たちが歓喜する場面があるのですが、
実生活にたとえると、その子どもたちが苦労して登っている、登らされている坂の上に、目的の場所があるとも限りません。
能力を鍛える際には、意図的で、具体的なスキルを磨くトレーニングをしないと効果は少ないですが、
たくさんやっているときって満足感を感じがち。
でも、それが意味が、効果があるとは限らないのですよね。
やることが目的になっていないか、というのも、気をつけて見ていかなければいけません。
5年生の男の子の冷静な一言から、
そんなことを思ったりしたのでした。
これだから、国語って、子どもたちの意見って、おもしろいです^ ^