ボタニカルガーデンから
冬のおとずれを感じさせる乾いた空気に
包まれる。
湿った土に
無造作にちりばまったカラ落ち葉の匂い。
宇宙いっぱいに広がる碧いそらに
赤みがかる木々の蒼がかさなって。
鳥たちがチッチとささやき、
モニュメントの鐘が絶えずカラカラと響く。
ザワっとすれる樹々の葉に、
カラスがカーと鳴いてゆく。
あき深し。
歩みを進めると
展示されるダリアに薔薇にコスモスが、
色とりどりの花弁を誇っている。
まだまだだよ、
わたしたちまだ終わっていないよ。
って誇っている。
あき深し。
カレンダーは
今年をしめくくろうとしているし、
街には夜の光が咲き始めている。
あき深し。
でもまだまだなんだ。
まだなにも終わっていないんだ。
楽子
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