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大勢の中でも個別にアプローチする技術
「自己表現をもっと上手にしたい」と考えるとき、まず頭に浮かぶのは、「多くの人に伝えたい」「もっとたくさんの人に知ってもらいたい」といったイメージかもしれません。でも、実は自己表現で一番大事なのは、大勢ではなく「目の前の一人」にどう伝えるかなんです。
自己表現をしっかり届けるには、相手が誰かを意識することがポイント。そのために役立つのが「個別化」という考え方です。これは「相手を一人の個人として見ること」を大事にする考え方で、人との関係を深めるときにとても役立ちます。
今回は、自己表現と個別化を掛け合わせて、どうやって「一人ひとりに響く表現」をしていくのかについてお話しします。
個別化ってなに?
個別化とは、「人それぞれの違いを大切にする」という考え方です。たとえば、同じ趣味を持っている人でも、感じ方や価値観は違いますよね?その違いに気づき、それを理解した上で接するのが、個別化の力です。
これを自己表現に活かすとどうなるかというと、「相手に合わせた伝え方」ができるようになります。たとえば、何かを伝えるとき、「この人は論理的な説明が好きそうだから、理由をしっかり伝えよう」「この人は感情を大事にするタイプだから、自分の気持ちを率直に話してみよう」といった工夫ができるようになります。
自分の経験を少しだけシェア
私自身も、個別化を意識するようになってから人とのつながりが深まったと感じています。たとえば、イベントを主催したときには、参加してくれた全員に「お礼のメッセージ」を送るようにしています。ただし、全員に同じ内容ではなく、一人ひとりに合わせて内容を少し変えます。「◯◯ちゃんの××発言が印象に残った」「△△ちゃんのあの時の視点で、解像度が変わった」といった具合に、その人の参加の仕方を踏まえてメッセージを送るんです。
正直、少し手間はかかりますが、『もらって嬉しいことを私もギブしたい』の気持ちからやってます。ぶっちゃけ自己満なところもあります。でもそういう気持ちって届くと思うし、相手とのつながりが強くなる気がするんですよね。
個別化を自己表現に活かす方法
では、どうすれば個別化を自己表現に活かせるのでしょう?簡単なステップをいくつかご紹介します。
1. 相手を知る努力をする
相手がどんなことに興味を持っているのかを知るだけで、会話や表現の仕方が変わります。たとえば、SNSの投稿を見て、「この人はこんな価値観を持っているのかな」と想像してみたり、事前にその人の好きなものを調べたりすると、相手に響く言葉が自然と思い浮かぶようになります。
2. 自分を知る
自己表現をするためには、自分がどんな人間なのかを知ることも大事です。「私はこういう場面で力を発揮する」「こういうことを大事にしている」という自分の特性がわかると、相手に伝えるときも自然と説得力が増します。
3. 伝える内容を工夫する
同じことを伝えるにしても、「誰に伝えるか」によって言葉を変えるのが個別化の技術です。たとえば、趣味が同じ人には共感を前面に出した話し方をするといいですし、興味が違う人には、自分の視点からわかりやすく伝えるのがポイントです。
自己表現は一人ひとりに響くものから
大勢に向けて表現することも大事ですが、誰か一人に向けて心を込めて伝えることで、自己表現の魅力はもっと深まります。その積み重ねがやがて、「多くの人に伝わる自己表現」に変わっていくのです。
ぜひ、あなたも次に自己表現をするときには、「目の前の一人」に意識を向けてみてください。それが相手に響き、つながりを深めるきっかけになるはずです。