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【熊本パンタグラフ 番外編】一日乗車券の旅 2

2.玉名

山鹿バスセンター→玉名中町(産交バス・790円)

 さて、山鹿から玉名に向かうバスに乗ったわけですが、これがもう路線バス好きにはたまらないであろう路線でした。
 まず、比較的長い距離を走るこのような路線バスは、だいたい最短距離なんて走りません。実際山鹿から玉名まで乗っていたのは私ぐらいで、多くの乗客は旅人ではなく地元の人なわけです。そうすると、主な目的地は病院や役場、農協などになります。ですからまず街中をぐるっと回って、そのあとは集落を巡り、人々の目的地となる施設を回り、次の街中もぐるっとまわります。電車や長距離バスと違って、人々の暮らしが見えるわけです。

 そんなわけで再び一時間ほどで、玉名に到着です。玉名はJRでも来ることができますよ。

 ここではラーメンを食べます。有名なお店がいくつかあります。チャーシューメンを食べて次のバスまで少し時間があったのですが、待っているだけでふらふらになる暑さでした。
 玉名では五月にしょうぶまつりがあります。また、古い蔵を改造した高瀬蔵というイベントホールも。散策するだけでも楽しいところです。(写真は過去のもの)

 ここからはいったん街に戻りますが、来た道とは別の路線になります。


3.熊本電鉄(と牧場)

玉名中町→交通センター(産交バス・1050円)

 次なるバスは、海沿いの道を進みます。まず見えてくるのが、天水地区。山肌に見事なみかん畑が見えます。また、島原半島も臨むことができます。今回は乗りませんでしたが、金峰山を越えていく路線もあります。夏目漱石『草枕』で描かれている場所ですね。私はこちらも好きです。(写真は山側から・過去のもの)

 熊本港の近く、海に近いところをぐるっと回って、バスは市街地へと戻ってきます。実は街に近いこの路線も、バスに乗るのは初めて。元気な子供たちが乗ってきました。

 と言うわけで交通センターまで戻ってきたのですが……私は気付きました。すでに元は取れたのですが、私、産交バスしか乗ってない……。というわけで、別のバスにも乗ることにします。

交通センター→藤崎宮前(熊本電鉄バス・150円)

 熊本市内北部から菊池方面に多いのが電鉄バスです。そして目的は熊本電鉄です。熊電は熊本市の藤崎宮前から西合志町の御代志まで(および上熊本から北熊本)を結ぶ電車ですが、なかなか乗る機会がありません。ちなみに引退してしまいましたが、マニアが喜ぶ青蛙と呼ばれる車両も走っていました。今でも北熊本の車庫にいます。(写真は過去のもの・ケロロ使用)

 で、藤崎-御代志の路線は乗ったことがない、そして一日乗車券で熊電も乗れるということで、せっかくの機会なので乗ってみることにしました。
 ですが……何回も通ったことのある道沿いのはずなのに、駅がなかなか見つからない! どこや!

 ありました。

藤崎宮前→黒石(熊本電鉄・320円)

 まずはゆっくりと家々の間を抜けていきます。なんと、自転車も乗せられます。のんびりとしたワンマン列車の旅はいいですね。
 そして、終点までは行かず途中の黒石駅で下車。駅からすぐのところに、珍しいものがあるんですよ。下車したところで何となく香ってきます。

 そうです、町中ですが徒歩数分のところに牧場があるんです。牛がお出迎え。そしてここ、おいしいアイスクリームを売ってるんです。この牛さんたちの新鮮なミルクが使われているのです。

 ですが……はい、平日突然調べずに来ました。このパターンは危ないですね。はい、定休日でした。というわけでオオヤブデイリーファームのアイスクリーム屋さん、火曜日がお休みのようです。

 せっかくなので帰りはバスで。

黒石・ポリテクセンター→水道町(電鉄バス・370円)

 と言うわけで、街に戻ってまいりました。まだ時間的には他のところにも行けるのですが、さすがに疲れました。市電や都市バス、しろめぐりん(熊本城周遊バス)などまだまだ乗れる路線はありますよ!


4.まとめ

 今回の旅、一日乗車券なしの金額は3610円でした。かなりお得ですね。また、いろんな施設が割引になったりもします。ぜひ熊本観光の際は一日乗車券を!

 あと、今回行程を計画するにあたっての話なども。実は、せっかくなので普段行く機会の少ない南部を回る予定でした。ですが、これが大変なんですね。乗り継ぎのたびに待ち時間ができてしまいすし、行った路線を戻るしかありません。また、人吉や五木まで行きたかったのですが、以前の旅で途中路線が途切れていることを知り、断念しました。ちょっとの区間列車を使えばいいんですけどね。(「荒瀬ダムを見て来たよ」参照) 次回は人吉を出発点にしてもよいかと思ってはいます。

 元を取ることを考えれば、三角から天草方面に行く手もあります。長距離バスや列車+フェリーの方が便利なんですが、一部の路線バス好きにはお勧めです。

 路線バスはどんどん減少しています。列車の少ない地域ではどうしても車移動がメインになりますし、そうするとバスに乗る人も少なくなる。本数が減る。不便なので観光客も使わない。ですが、運転できなくなったお年寄りなど、バスが重要な移動手段の人もいます。通学に使う子供たちもいます。皆様がバスを使うことによって、バス路線が存続することにつながると思います。ぜひ、バスの旅をしましょう! (そして、定休日は調べておきましょう!)


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清水らくは
大変感謝です!