落語ラン vol.13 「恋の山手線ラン(前編)」
昨年真打になられた柳亭小痴楽師匠。なかなかの色男で、落語も気風が良いです。
お父上は「つづり方狂室」で一世を風靡した五代柳亭痴楽師匠。人気絶頂の折に脳卒中で倒れ、その後20年闘病された末に残念ながらお亡くなりになってしまいました。
なかなか豪放磊落な師匠だったようで、今ご存命ならと思わずにもいられません。
で、その五代痴楽師匠がマクラで使っていたのが「恋の山手線」と言われる節回しでして、七五調のリズムが心地良いです。
ロングのランナーであれば、誰しもが「山手線ラン」をやったことがあると思うのですが、私は実はやったことがありません。通常は東京駅スタートである程度コースも決まっているのでしょうが、こちとら「恋の山手線」です。好き勝手に走ったり、歩いたりしていたらやたらと疲れ、時間の制約もあって新宿で前半戦終了となってしまいました…。
なお、痴楽オリジナルバージョンでは西日暮里駅が出来ていませんでしたが、その後「西日暮里と濡れてみたいが人の常」が追加になっています。
ランニングコース
上野→新宿(山手線)
恋の山手線(前編)
(上野)を後に池袋、走る電車は内回り、私は近頃外回り、
彼女は奇麗なうぐいす芸者(鶯谷)、
にっぽり(日暮里)笑ったあのえくぼ、
【「西日暮里と濡れてみたいが人の常」】
田畑(田端)を売っても命懸け、思うはあの娘(コ)の事ばかり。
我が胸の内、こまごめ(駒込)と、
愛のすがも(巣鴨)へ伝えたい。
おおつか(大塚)なビックリ、度胸を定め、
彼女に会いに行けぶくろ(池袋)、
行けば男がめじろ(目白)押し。
そんな女は駄目だよと、たかたの婆(高田馬場)や
新大久保のおじさん達の意見でも、
しんじゅく(新宿)聞いてはいられません。
出典:恋の山手線(五代目柳亭痴楽)
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