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アメリカデビュー!僕の初役はピカソだった!

19歳の春、僕はアメリカへ渡った。

日本の大学を1年だけ休学して、いずれ復学するつもりで。

日本の大学では落研に所属していて、その時からいずれ落語を英語でやりたいと思っていたので、その下準備のつもりでした。

当時は留学経験のある落語家さんがまだいらっしゃらなかったので、留学して弟子入りしたらカッコいいぜ!

くらいの軽~い下心でした。(笑)

でも、当時はクリントン大統領で、古き良きアメリカがまだ色濃かった時代。(ちょうど、あのスキャンダルの頃ですね・・・。)

アメリカでの生活に妙に馴染んでしまい、結局復学せず、中退(実は除籍)してアメリカへ本格的に演劇留学する決心をしました。

そして、僕のアメリカでの初役というのがピカソ役でした。

アメリカに着いたばかりなので学生演劇ですし、英語もまだ微妙だったので、なんと台詞がたったの一つ!

ピカソの恰好で後ろから後光が差す感じで現れ、そのオーラだけで女性を口説き(笑)・・・

Even though you are refracted, you are still you! (君は屈折しているが、君であることには変わりがない!)

と一言いうだけの役。

でも、これがはまったんですね!

日本人の僕が本気でピカソになりきって、オーラだけでその女性を口説こうとしているを見てみんな大爆笑。

その時見ていたクラスメイトで、現在ハリウッドでDCやらトムとジェリーなどのアニメを作っているブレットが僕のことを気に入ってくれ、一緒にコメディーミュージカルを作ることに。

世界征服を企む郵便屋さんというシュールな役だけど、一応主役。

世界一くだらないミュージカルだけど、当時の同級生は今でも「あれだけは忘れられない」と・・・トラウマになるような爆笑舞台に仕上がりました!

あの時学んだのは、どんな小さな役でも本気で演じることの大切さ。

あのピカソの役を本気で演じたから、それが次の役へと続き今の僕があるのだと思います。

ちょっと変かもしれませんが、今でも手を抜きそうになったら立ち上がってあのピカソの役を演じてみるんです。

すると僕が人生で一番熱かった時代に瞬間で戻っていけてやる気がみなぎってくる!

Even though you are refracted, you are still you!


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