『アナログバイリンガル』
「おい!お前さっきから何言ってるかわからねーぞっ!」
3組のタロウが怒鳴り散らしている。
あの子、いじめられてるのかしら。ちょっと心配。
「ごめん。◯@;:%※Σ・・・」
これは止めに入るべきかなあ。
「なあ!?ちゃんと聞いてるのか!?」
「・・・@;:%※Σ!うん、□>☆;:※Σ※」
あの子もきちんと言い返せば責められないのに。
と、そのとき。
鳥かごのなかで羽根を大きく広げたオウムが叫んだ。
「俺らがみんな人間の言葉を真似すると思ってんぢゃねーぞっ!」
突然のことに驚いたタロウは尻もちをついた。
「俺は、人間以外の声なき声も聞いて、その願いを叶えるのに忙しいんだよっ!お前らの戯言だけを聞いてるんじゃないからな!」
ことの成り行きを傍観していた天使はため息混じりにつぶやいた。
「あーあ。“連続的に延々と二言語を操る”なんて神業なのだから、そんな相手には注意しなくちゃなのに。もう方舟が出港するけど、どうやら人間は乗せてもらえなそうね。」
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