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聴いてみたい、こんな新作落語!
「CMは15秒のドラマである」
と、昔ある人が言っていた。
そう、昔のCMは“ドラマチック”なものが多かったような気がする。
子供の頃は、“番組”よりも“CM”のほうにより魅力を感じていた。
“15秒で完結するストーリー”は、恐ろしく集中力の足りないわたしにマッチしていたのだ。
何気なくTVCMから流れてくる松田聖子の『sweet memories』を聴いて
「あ!ペンギンのお酒のCM!」
と反応してしまう人は、わたしよりもアッパーなバブリー世代で、
「いや、ナイツ塙が出てるマクドナルドのCMでしょ?」
と言えてしまう人は、あのペンギンのアニメーションの可愛らしさと切なさを知らない世代だ。
ほおう。
こう考えてみると、いつの時代も『sweet memories』が使われるCMは、“ストーリー性のあるCM”だとわかる。
わたしがここ数年でいいなと思ったCMのひとつに、世の中を沸かせたゼクシィのCMがある。
「結婚しなくても幸せになれるこの時代に、私は、あなたと結婚したいのです」
というキャッチコピーが強烈なインパクトを残したあのCMである。
CMを初めてみたとき、キャッチコピーがキャッチコピーの枠を超えて、わたしのハートにダイレクトに飛び込んできたのだ。
わたし、集中力はからっきし無いけども、想像力は十二分に豊かな上に、感受性も強いほうなので、あのキャッチコピーだけで即目頭が熱くなる。← 激しいな。
良くできたキャッチコピーは世の中にたくさんあるけども、キャッチコピーひとつで泣かされそうになることは、そうそう無いと思う。
やっぱり、博報堂って頭のいい人がいるんだな!←
このCMは大好きだったけれど、コピーライターの圧倒的勝利なので、“ストーリー性のあるCM”というと観点とはちょっと違うのかもしれない。
ただ、多くの人の共感を集めたCMだったようなので、
『ひとりの女性が紆余曲折して結婚を決意するまでの映像』
が走馬灯のようにみんなの脳裏に瞬時に駆け巡ったのなら、キャッチコピーだけで“ストーリーをみせた”ということになる。
深い。
素晴らしい。
やっぱり、博報どっ・・・←
さて、実は幼い頃に観たCMが忘れられずに、大人になってからおぼろげな記憶を頼りにネット界隈を調べてみたことがある。
やはりお酒のCMで、洗練されたスーツ姿の2人の男性がBarでグラスを傾けているようなCMだった。
(まるで、イケてるっぷりが博報堂の社員のようn・・・ ← しつこい)
童話のような、あの『賢者の贈り物』で有名なO・ヘンリーの短編集にでも載っていそうな、ちょっとした物語が軸になっていて、当時子供ながらにものすごく感動したのを覚えている。
Barで同僚を待っている男性。
彼の目に飛び込んできたのは、同僚がBarの前で女性に金を渡している姿。
「お前騙されたな」
遅れてBarに入ってきた同僚に声をかける男性。
そして、続ける。
「今の女の人、病気の子供がいるって言ったろ?アレ、嘘なんだ。」
それを聞いた同僚は、一瞬怪訝な表情をしたものの、ふっと微笑み、そこで一言。
「よかった。病気の子供はいないんだ」
・・・くぅ〜———っ!!!
カッコイイ!たまらなくカッコイイ!!!
お金を騙しとられても、病気の子供が居なくてよかったと言える心の余裕!
『深いところに灯がともった』
という字幕も併せて、グッとくる。
これが『ジョニーウォーカー 黒ラベル』、大人の男のウィスキーのCMだなんて、そのイメージにぴったりで本当に素敵だ。
もう一度リバイバルで流せばいいのになー。
そう、わたし、これを新作落語で聴きたいんですよ。
この話の元ネタは、ロベルト・デ・ビセンゾというゴルフプレイヤーの逸話として残っているのですが、実話ではない可能性も高いのだとか。漫画ONE PIECEにも似たようなシチュエーションが描かれていたらしいですね。
著作権的には問題なくいけると思うので、誰か作って演ってくれないかなーーっ。
もしくは、もうあったりするのかな?
「同じような噺、もうありますよ!」
「台本だけならもう作ってるよ!」
「アマチュア落語だけど観たことあるよ!」
って人、いらっしゃいましたら教えてください☆
わたし自身、毎日頭からっぽで笑っていたいし、毎日誰かを笑わせることを意識しています。
・・・うふふ、矛盾してますね♪
そして、毎日“誰かに感動を”と思っています。
笑わせること以上に、“人の心を震わせて感動を呼ぶこと”は、なかなかレベルの高いことだと思うのです。
わたし自身も日々精進です。
滑稽噺ばかりを好んで聴いているわたしですが、たまには“人の心の深いところに灯をともす”ような、(敢えて人情噺とは言わず)人情味溢れる滑稽噺も聴いて観たいと思う今日この頃なのです。
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