大切なのは第3の波に乗せてあげること。
僕らがするべきことは第4の波を作ることではなく、第3の波に乗せてあげること。
僕たちコーヒー業界の人間は先を見すぎている。
もちろん未来を考えるのはとても大事だとは思う。
だが、新しい波を作ることに躍起になる前にサードウェーブ(ってのは、コーヒービジネスの持続性と生産者のより良い暮らしに目を向けたコーヒー史の大きな動き)で起きた波に一般の消費者を優しく乗せてあげなくてはいけない。
この辺りの話はコーヒーオタク以外からしたら、なんの話をしてるんだこのキモオタどもはと思ってるだろうから興味が湧いたら調べるくらいでいいと思う。
美味しくて持続性のあるものを「もっと普通に」
ここが一番大事なんだ。
じゃあ現状の普通のコーヒーはどのようにして親しまれているのか。これを俺なりに解釈してみた。
現在思いつく普通のコーヒーといえば、缶コーヒーやインスタントコーヒーにコンビニコーヒー、あとはスタバやドトールといったところだろう。
じゃあどうしてスタバやコンビニのコーヒーは皆んなから愛されるのか。
ここではマーケティングとかブランディングという誰かの方が詳しい話は置いておき、「コーヒー」だけにフォーカスしてみよう。
俺の結論はコンビニエンスさと、親しまれている味があること。だと思っている。
ぶっちゃけるとイケてるコーヒー屋に行くよりスタバやコンビニに行った方が近いし早い。(ここは夫婦経営や小さなコーヒー店が時代とともに増えていけば勝てる)
あとは親しまれた味。
これは厳密にいうと個人によって異なるだろうが、「コーヒーの味とは?」で想像する味といえばコンビニコーヒーのような苦くて特になにがあるわけでもない味を想像するだろう。
この時点でコンビニコーヒーがいかに親しまれる味かがわかる。
そしてその上位種のようなコーヒーチェーン店では好みの味を選ぶことができる。
例に出すとスタバでは軽めでほのかな苦味と酸味を楽しめる浅煎りからタバコ吸ってるかと思うくらいド苦いコーヒーがある。
ド苦い とか初めて使ったけど文字通りめっちゃ苦い。
ここで業界人の目からいうとスタバの浅煎りは厳密にいうとそこまで浅煎りではない。
言い換えると、実は少し苦めの味わいに寄せていてほんのり爽やか。
つまり、「ほんのりあっさりなコーヒー」から「ド苦いコーヒー」という親しみのある味の中から選ぶことができる。
つまりコーヒーのこと知らなくても優しいお兄さんお姉さんが好みの味に導いてくれるのだ。
(ちなみに彼らは研修でちゃんとコーヒーに詳しくなっている)
それがコンビニエンスな立地にあるんだから最強なのは頷ける。
白旗振りたくなるくらい強い。
既存のスペシャルティコーヒー店は一般の人からすると高級フレンチ店のような敷居があり、スタバやコンビニは言わば町の中華屋のような親しみがあるのではないかなと思ってる。
だからこそ、スタバなどには作れないようなあなた好みの、みんなが好きなような味で「良いコーヒーをもっと普通に」そしてコンビニエンスにしたい。
そうやって少しずつ、みんなと一緒に美味しいものが普通になる世の中を作りたい。
ちょっとでもコーヒーがあなたの身近なものになってくれたら嬉しい。
それでも第4の波を起こそうと言うのなら、俺が普通のために戦おう。
まだ見ぬコーヒーファンを置いていかない。
Kota Noguchi
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