「AIを使って空き家問題を考える」夏休み自由研究ワークショップを開催しました
2023年8月20日、らくだ不動産では夏休み自由研究親子ワークショップ「AI『楽』と一緒に空き家を学ぼう!」を開催しました。
“楽(らく)”は、空き家のことに関心のあるおしゃべり好きなフタコブラクダ。ワークショップでは、小学生程度の認識力・理解力を持つAIの“楽”と13名の小学生、その保護者の皆さんと一緒に、空き家問題の現状とともにおじいちゃん・おばあちゃんのお家を空き家にしないためにどうすればいいかについて考えていきました。
日本の空き家の数はどれくらい?
参加してくれた皆さんにまず聞いたのは、日本の空き家の数や空き家率について。「どれくらいの数の空き家があるんだろう?」という問いに対して「150万軒くらいじゃない?」「30%くらいだと思う!」というさまざまな意見が出るなか、不動産のスペシャリストである長嶋修先生が登場!
直近の調査では、空き家の数は約850万戸、空き家率は13.6%と解説しました。1958年の統計開始時点の空き家率は、わずか2%。1998年になると空き家率は10%を超え、空き家の数および空き家率は右肩あがりで伸長しています。
世界から見て日本の空き家って多いの?少ないの?
空き家率が10%を超える国は、日本を含めて7カ国。「空き家率ランキング上位はどこの国だと思う?」という山本直彌先生の問いに対し、小学生の皆さんはお父さん・お母さんと相談しながら、事前に配布されたワークシートに自分の考えを書き記します。
「日本が1位だと思う!」「2位はフランスとかじゃない?」「いや2位はキプロスだよ!」(キプロス知っているのすごいな……!)と、こちらも皆さんがさまざまな意見を出してくれました。
正解は、皆さんの答えにもあったように、1位は空き家率13.55%の日本。2位は12.48%のキプロスです。3位は12.35%のハンガリー、4位は11.13%のアメリカ、5位は10.73%のフィンランドと続きます。
日本の中でも空き家率・空き家数は地域差がある!
およそ7戸に1戸は空き家という日本。しかし、空き家率や空き家の数には地域差があります。「空き家率が最も高いのは東京都じゃない?」という声も聞かれましたが、空き家"率”が高いのは、和歌山県や徳島県、鹿児島県、高知県です。これらの県の空き家率は18%を超えています。市区町村で見てみると、地域差はさらに大きくなります。1位の北海道夕張市の空き家率は、なんと40%です。
空き家数ランキングトップは「東京都世田谷区」
一方で、空き家の“数”でいうと、先ほど「東京都」と答えてくれた方が正解。空き家数ランキングのトップは、東京都世田谷区。2位は、東京都大田区です。3位以降も、県庁所在地や東京、大阪など大都市の市区町村が目立ちます。都市部の空き家“率”は低いものの、住宅の数が多いため空き家の“数”でいえば空き家率の高いエリア以上に多いのです。
空き家が増えるとどんな問題があるのだろう?
日本、そして世界の空き家の数について学んだところで、続いて皆さんと一緒に考えたのは、空き家が増えるとどんなことが問題になるのかについてです。ここからは、空き家の数が最も多い東京都世田谷区や大田区の空き家事情に興味関心があるAIの“楽”と一緒に、空き家の課題、問題について考えていきました。
「空き家が増えるとどんな問題があるの?」という問いに対する“楽”の回答は、次のとおりです。
安全面の問題:空き家は放置されることが多いから建物の劣化や痛みが進んでしまうことがある。それに長い間、誰も住んでいないと、防犯面も心配。
街の雰囲気の問題:空き家が増えると、周りの人たちも気持ちが落ち込んじゃうかもしれない。街全体の雰囲気も暗くなってしまうかも。
資源の無駄遣い:土地や建物があるのに使われていない空き家。その土地や建物を有効活用できれば、新しい住宅や施設を作ることができるかもしれない。
地域の活性化の問題:人が住んでいないとお店や施設も閉まってしまうかもしれないから、地域の魅力が減ってしまうかも。
一方、小学生の皆さんからは次のような回答をいただきました。
空き家に動物が棲みついてしまう
街の衛生的に良くない
家が壊れちゃう
“楽”の回答も、小学生の皆さんの回答も、すべて正解です。空き家自体の劣化とともに、周辺に住んでいる人にも迷惑をかけてしまう恐れがあるということが空き家の問題です。加えて、長嶋修先生は、自治体の経営状態が悪化してしまうことも懸念されると解説しました。
空き家の数は今後どんどん増えていく……私たちができることとは
空き家の数は、今後もどんどん増えていくと推察されています。国の政策などがうまく行ったとしても、今から15年後の空き家率のシミュレーションは21.1%。日本にある住宅の5戸に1戸以上が空き家になってしまう見込みです。
最後に、皆さんと一緒にどうしたら空き家問題を解決できるかについて考えていきました。
家を愛し続けてほしい
空き家とは、人が住まなくなったお家、使われなくなってしまったお家と言われています。しかし、人が住まなくなったとしても、日常的に使われなくなったとしても、その家を愛し、適切なメンテナンスを続けていけば、今回挙げられたような空き家の問題は顕在化しません。
今回のワークショップで私たちが小学生の皆さんに最も伝えたかったのは、自分のお家、あるいはおじいちゃん・おばあちゃんのお家をずっと大切にしてもらいたいということ。大切に思う気持ちから導きだされた答えが「売却」になるのか、「活用」になるのかわかりませんが、大前提として家を愛し続けていただきたいと思うのです。
おじいちゃん・おばあちゃんのお家の好きなところ
小学生の皆さんに、おじいちゃん・おばあちゃんのお家の好きなところを聞いたところ、こんな素敵なご回答をいただきました。
おばあちゃんがいること。それ自体が好き。
お花がいっぱいあってきれい
あるいてビーチにいける
広くて、まわりに自ぜんがいっぱいある
二かいだて。ベッドがたくさんある。庭が広い。こうえんの近く
にだんベッド
はしらにのぼれる。かくしベッドがある
冬にこたつがある。落ち着いて安心できる
公園が近くて遊びに行けた
静かで落ち着く
庭が広い。海が見える
大人の皆さんも、ご実家やおじいちゃん・おばあちゃんのお家の匂いや暖かさ、快適さなどが思い起こされることがあるのではないでしょうか。この想いを持ち続けていくこと、思い出すことが、人から忘れ去られたしまった空き家を減らしていくために最も求められることです。
空き家の疑問・悩みの解決に「空き家ラクチャ」をお役立てください
今回のワークショップでも大活躍してくれた“楽”が空き家の相談に乗ってくれる「空き家ラクチャ」。ChatGPTの技術を活用し、らくだ不動産・さくら事務所グループのノウハウを学習させた対話型AIが、空き家の状況に沿ってパーソナライズされた回答を自動で生成します。
ご利用に際し、個人情報のご入力や費用を請求することは一切ありません。不動産会社に相談するには気が引ける小さな疑問から、売却や活用などの具体的な悩みまで、なんでもご相談ください。
※AIの精度は完璧ではなく、回答内容の正確性・最新性については保証できません。あくまでも参考としてご利用ください。
※楽の頭脳(GPT-3.5)は小学生程の認識力や理解力のため、楽の回答内容について詳細な相談をご希望の場合は、らくだ不動産の エージェントまでお問い合わせください。
※現在のサービス対象エリアは、東京都渋谷区、大田区、世田谷区となっております。今後、エリアを順次拡大予定です。