若手デザイナーにおすすめしたい本と学びからの具体例【Vol.1】
こんにちは、「RAKSUL DESIGN MAGAZINE」です。
RAKSULに入社してまだ1年目の若手デザイナーが、最近読んで特に学びが大きかった4冊の本をご紹介します。これらの本は、デザインのみならず、仕事全般において新しい視点や考え方を与えてくれました。それぞれの本から得た学びがどのように実務に活かされているかをお伝えし、皆さんの成長の一助となれば幸いです。
1. 『コンサル1年目が学ぶこと』
本の概要
コンサルティングファームで得た実践的なノウハウや心構えを紹介。コンサルタントに求められる問題解決の手法、効果的なコミュニケーション、資料作成のコツなどが具体例を交えて説明されており、ビジネススキルを向上させたい方に役立つ内容が詰まっている一冊。
本の学び
結論から話す
PREP法:結論 → 理由づけ → 具体例 → 結論の繰り返しを意識する
効果:短い時間で相手に必要なことを伝えられる
Talk Straight:端的に話す
方法:まず質問にYES/NOで答え、次に追加の説明をする
効果:状況が明らかになり、相手もNextを考えやすくなる
ローコンテクストなルールや基準で話す
方法:世界共通言語である「数字」と「ロジック」を使用
効果:バックグラウンド関係なく誰でも理解できる状況を作れる
相手は何も知らない前提で説明する
方法:相手の理解度を推し量り、話が通じていないと気づいたらその場で言葉を補う
効果:知識がない人でも理解できる
相手の期待値を正確に把握し、超え続ける
方法:「報・連・相」を通して共通の理解を得る
効果:常に評価と信頼を得られる → 次の仕事がくる
「雲・雨・傘」で提案する
雲雨傘:「事実」・「解釈」・「アクション」を区別して話す
効果:筋の通った提案ができる
仮説思考でものを考える
方法:仮説 → 検証 → フィードバックのサイクルを素早く回す
効果:問題の本質に効率良く迫ることができる & 意思決定のスピードが早くなる
アウトプットから逆算して作業プランをつくる
方法:中身が空の骨組みを作り、それを埋めていくためのタスクを洗い出す
効果:ゴールや目的が明確になる & 作業工数を把握できる
Quick & Dirty を心がける
Quick & Dirty(素早く、汚く):完璧でなくても良いから早く出して、大枠の方向性を決める・確認する
効果:早い段階で方向修正がしやすくなる
実務において実行、意識できたエピソード
2. 『「君にまかせたい」と言われる部下になる51の考え方』
本の概要
スターバックスのCEOを務めてきた岩田松雄さんが「部下時代にはどう仕事や勉強に向き合っていたか」「上司や経営者になったときにはどんな部下の存在に助けられたか」。両面から見た「君にまかせたい」と言われる理想の部下の姿について51項目にまとめられた一冊。
本の学び
「仕事ができる」よりも「人間性」を高める
上司は仕事ぶりだけではなく、人となりをしっかり見ている
効果:信頼を得られる
方法:大きな挫折を経験する
こまめな「報・連・相」を心がける
「報・連・相」は、信頼関係を築くためのファーストステップ
結論とトピックを先に述べ、「事実」と「判断」を分けて伝える
上司によって求めるものが異なるため、相手のニーズに合わせる
仕事に対する自分の意思を持つ
自分なりの仮説:どう解釈して、どうしたいのかを持っておく
次のアクションプランまたは選択肢を提示できればより良い(選択肢を提示する場合、リスクとリターンも伝える)
自分自身で評価する際は「プロセス」以上に「成果」を重視する
プロセスを見るのは上司の役割で、自分から主張してはならない
→ 当事者本人は結果にこだわらなければならないプロセスを振り返り、努力した結果なのか、それともラッキーな結果だったのかを自分で理解しておくことで成長につながる
世の中を良くするという視点で、売上を把握 → 数値を追う
企業は利益を通じて世の中をより良くするために存在している
人材の採用、開発や投資など、世の中を良くするにはお金がかかる
勉強は若いうちから始め、習慣化する
若い頃の勉強はその後の基礎 / 大きな貯金・財産になる
まとまった時間はなくて良い、細切れ時間を利用して読書する
目的意識を持って行動する
忙しい相手の時間を大切にするという意味でも、人に会うときには、聞きたいことを慎重に準備する
セミナーや勉強会でも目的を持ち、自分の視野・選択肢を増やす
それぞれの仕事に対する意義をつける
意義付けをすることで、単なる作業以上の価値を見出せる
「いろんな仕事があり、すべて価値があるもの」ということをしっかり理解できているか、感謝できているかが、ビジネスパーソンとしての成長につながる
実務において実行、意識できたエピソード
3. 『イシューからはじめよー知的生産の「シンプルな本質」』
本の概要
効率的に問題を解決するための考え方を紹介。「イシュー」とは、解くべき重要な課題を意味し、それを正確に見極めることで、無駄を減らし、質の高い成果を出す方法が具体的に説明されており、仕事の生産性を高めたい人におすすめの一冊。
本の学び
バリューのある仕事:「イシュー度」×「解の質」が高い状態のもの
イシュー度 : 自分の置かれた局面でこの問題に答えを出す必要性の高さ
解の質 : そのイシューに対して明確に答えを出せているかの度合い
脱「犬の道」:いきなり飛び込まない
闇雲に数をこなす・時間を費やすアプローチで成功する確率は非常に低く、成長やマネジメント能力に限界が生じてしまう
生産性の高い人と低い人の違いは、問題を解く前に、本当に取り組むべき問題=イシューの"見極め"をしているかどうか
→「イシュー度」をあげてから「解の質」を上げていくが大事
イシューの見極め方:仮説を立て、言葉で表現する
答えを出せるレベルのイシューにするため
必要な情報や分析すべきこと、分析結果の解釈が明確になるため
仮説を立てるための手がかりとして「一次情報」に触れる
実際の現場で何が起こっているのかを目で見て、肌で感じる
ただ、知識を持ちすぎると自分なりの視点を失いがちになるため、情報収集はざっくり行うのがポイント
解の質を高めるため、ストーリーラインを作る
ストーリーライン作り:イシューの構造を明らかにし、その中に潜むサブイシューを洗い出す作業=イシューの分解
アプローチ:「Whyの並び立て」と「空・雨・傘」
メリット:課題の全体像が見えやすくなる;またサブイシューのうち、取り組む優先順位の高いものが見えやすくなる
分析の本質:どのような軸で何と何を比較するか、を考えること
バリューのあるサブイシューを見極め、そのための分析を行うことでアウトプットを生み出せる
適切な「比較の軸」が分析のカギになる
良いアウトプットを出すために「停滞しない」ことが重要
丁寧にやりすぎるとかえって質やスピードが落ちる
なので、回転数とスピードを意識する
実務において実行、意識できたエピソード
4. 『人を動かす』
本の概要
デール・カーネギーが書いた、対人関係やリーダーシップに関する本。人間関係を円滑にし、相手に好印象を与える方法や人を説得し動かすための心理学的テクニックが、成人教育の現場で磨き上げた実践例を交えて解説されている。ビジネスや日常生活で人との関係を良くし、成功を収めるための基本的な原則が詰まった一冊。
本の学び
人を動かすには、相手の欲求に応え、自ら動きたくなるように働きかける
叱ったり批判したりするのではなく、誠実な言葉で相手を褒める → 相手の「自己の重要感」を満たす
相手を注意深く観察し、どうしたら相手がそうしたくなる気持ちを起こさせることができるか、をとことん相手の立場で考え、その欲求にあったアプローチをするのがポイント
肯定的な意見を強調して伝える
一度 "NO" と言ってしまうとそれを引くことは難しいため、会話のはじめにあなたとこういう点で意見が一致している・共通理解があることを伝えることが大事
自分たちは同一の目的に向かっており、異なるのはその”方法”だけだということを相手に理解してもらいやすくなる → 話をポジティブな方向に進められる
他人の欠点や過ちを批判・非難しない
他人から欠点や過ちを指摘されても反抗的な感情になるため、他人の欠点を直すよりも、自分の欠点を治す方がメリットが大きい
相手の考えや行動には何かしらの理由がついているため、なぜそんなことが起きたのか、起こしてしまったのかを考えるように努める
「しかし」を使わない
この一言で、それがどんな褒め言葉であれ、意味をなさなくなる
相手に注意を与えたい場合、遠回しに言葉または行動でほのめかす
人を説得するためには、議論を避ける
議論は、自説を正しいと確信させるものであり、議論に負けた方は劣等感を持ち自尊心を傷つけられることになる
まず相手の言葉に耳を傾け、相手の方が正しいのではないか、少なくとも正しい部分があるのではないかを考える
自分が間違っている部分があれば、素直に認めるのもポイント
無駄に議論すると相手からの好意を得られなくなるため、反論する場合は自分の意見が問題の解決に役立つのかどうかを考えてからする
実務において実行、意識できたエピソード
最後に
今回ご紹介した本は、私たち若手デザイナーにとって社会人としての基盤を築く上で非常に大きな役割を果たしてくれています。それぞれの学びを実務に取り入れることで、日々の業務がより充実し、成長の手応えを感じています。社会人1年目の皆さんにも、ぜひこれらの本を手に取り、自分自身の成長と実務への応用を体験していただきたいと思います。これからも、お互いに切磋琢磨しながら成長していきましょう。
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