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【評価/感想】ELDEN RING レビュー 人間の3大欲求に喰い込む面白さ


トロコンした上でのレビューです。

108時間。

気づけば、これ程までに膨大な時間をエルデンリングに捧げていた。

対戦メインのゲームを除いて、108時間も同じゲームをプレイしていれば、流石に飽きが来るだろう。しかし驚くべきことに、この108時間全く飽きずにプレイできてしまった。


エルデンリングは、ダークソウルのゲームプレイをベースにし、レベルデザインをオープンフィールド(オープンワールドのようなもの)へと拡張した、まさにダークソウルの正当進化とも呼べる作品だ。(特に2の要素が強い)

故に本作でもダークソウル同様、プレイヤーの興味を惹く探索と強者たちとの死闘が待っている。

さて、私が108時間熱中し続けられた理由は、純粋にソウルシリーズが好きだからというのもあるが、プレイヤーの好奇心を煽る巧みなレベルデザインのおかげだ。

視界に何か気になる物が映り、「あれはなんだろう?」と進んだ先にはほぼ必ず何かが待っている。その"何か"が何なのかは行ってみないと分からないため、ついつい行ってしまう。このゲームは、プレイヤーに与える情報を極力『画』で伝えようとしている。画で伝えることが可能な物は全て画で表現している。マップを開いても、絵が描いてあるだけなので、「あそこに何があるか」は具体的には分からない。だからこそ好奇心が刺激される。最初に関してはマップに絵すらないので、プレイヤーの視界に映るものを頼りに進むことになる。

探索中、光る枝分かれした燭台を見つけ、それに干渉するとガリガリの人が時折透明になりながらも、足跡を残してどこかへ歩いていく。ついていくと、ミニダンジョンの入り口に辿り着く。つまり、この光る燭台はミニダンジョンへのナビゲーションをする物なのだが、本作はそれを言葉で一切説明しない。プレイヤーに「何だろう」と思わせ、発見させるようにしている。

探索の醍醐味は、発見する時だ。この発見の楽しさをマップの隅々にまで散りばめているため、それら全てを明かしていく内にプレイ時間が膨大になっていく。いつも通り、環境ストーリーテリングも優れているため、このエリアでは過去に何があったのだろう、と想像することも楽しい。

探索中に出会うNPCのイベントはどれも魅力的だ。会話のテキスト量は他のゲームと比べると極めて少ないが、一文一文が練られており、少ない会話量ながら大きなインパクトを残していく。「あの時と今の間に、このキャラはどういう気持ちだったんだろう」と想像してしまう余白。フロム文学は相変わらず素晴らしい。

個人的に、探索が最高に楽しいゲームと言われて即座に思い出すのは『Metro Exodus』『A Short Hike』『ゼルダの伝説BOTW』なのだが、本作はそれと同等、またはそれ以上の体験を与えてくれた。

エルデンリングは、オープンワールド系のゲームの中では間違いなくゲーム史に残る作品であることに間違いはないと思う。フロム・ソフトウェアは日本を代表するゲーム会社の一つだ、と言っても過言ではないと本作をプレイして強く思った。SEKIROの時点でそうだったと思うが、今回は胸を張って思える。購入を迷っている方は是非とも買ってプレイしてみて欲しい。エルデンリングが日常の一部と化し、人間の三大欲求「睡眠欲」「食欲」「性欲」に加えて「エルデンリング」が加わるはずだ。



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