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レンタルスペース「mansikka マンシッカ」誕生の物語 ~後編~

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物事が動き出す時というのは、こんなにも流れに乗るものなんだ。自分以外の何者かが伴走して、背中を押してくれたり、手を引っ張ってくれたりしている感覚だ。

始まりは、”建築業者では教えてくれない住宅計画”というセミナーに参加した事だった。講師は主催団体の女性理事長。「建築の仕事って、設計や施工だけでなく、皆が知りたいことをセミナーで提供するという事もできるんだな。」一つの新しい目線ができた。

このセミナーを主催した団体は、「日本で自立して暮らしていくための参加型学び場コミュニティの創造」を目的としていた。セミナー参加後これを知って、女性理事長と話をする機会を作ってもらい、沢山のアドバイスを頂いた。また一つの目線ができた。

さらに、この団体主催のあらゆる講座に顔を出し、「こんなにためになる情報、私の周りの皆にも聞かせたい。気軽に皆が集まれる場所があったら情報シェアするのになぁ・・・」と思うようになった。

また、この団体を通して出会った、工務店さん、ファイナンシャルプランナーさんのお二人から適切なアドバイスを受けることが出来た。家の事を考える時はお金とセットで考えなければ正しく進まない。お金の事を考えるという事は、これからの自分の人生の過ごし方と向き合わなければ答えは出ない。また一つの目線ができた。

「この家どうしたらいいんだろう」という悩みは、この団体を通して出会った工務店さんと何度も話し合って計画を進めていった。「お父様が大事になさった家を維持したい気持ちも分かりますが、古い家はメンテナンスも大変です。それよりも、これからの自分の人生を第一に考えてみてはどうですか?」「お母様の事も大事ですが、まだまだ続く自分の人生を第一に考えたらどうですか?」話し合いの度にこんなアドバイスを受け、ようやく自分を大事にするという気持ちが蘇ってきた。結果、家は建替えに決定し、「いっそ家の中に皆が気軽に集まれるスペースを作ったらどうだろう?」私のこんな一言から多目的スペースを作る計画が始まった。

そんな時、とある読書会に参加し、賃貸物件でレンタルスペース運営をしているという女性と出会った。実はこの時初めて時間貸しのレンタルスペースという存在を知った。

その彼女から、レンタルスペースとは何ぞや?物件の探し方から運用の仕方まで教えてもらった。実は自宅に多目的スペースを作ると決めたものの、そこで何やるんだろう?どうやってイベント開催するんだろう?誰がそれをするんだろう?自分には人に教えるコンテンツもないのに箱だけ造ってどうなるんだ?と考えていた。そうか、場所貸し業なら自分にコンテンツがなくても出来るんだ!また一つの目線ができた。

家の完成までまだまだ時間がある。もし手ごろな賃貸物件があれば試験的にレンタルスペースの運営を始めてみる?そんな軽い気持ちで街をウロウロしていた時、気になる物件に出会った。駅から徒歩一分、古い建物だけれど掃除が行き届いていて清潔。このビルの何とも清々しい雰囲気、好きだわ~。しかし、「そもそも安定した収入のない私がテナントビルの一室を借りることができるのだろうか?」ダメもとで問合せをしてみる。結果は、えー!?借りれるかも・・・

逆に借りる事が可能だと分かると、怖気づく私。「レンタルスペースの運営なんて、ほんまに出来るんだろうか?誰も借りてくれなかったらどうしよう。何か問題が起きたらどうしよう。」私の心配とは裏腹に、周りには、応援してくれる人、協力してくれる人、私の背中を押し、手を引っ張ってくれる人しかいなかった。そうして、契約も内装工事もトントン拍子に進み、晴れて私は、レンタルスペース「mansikkaマンシッカ」オープンにこぎ着けた。

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こうやって「mansikkaマンシッカ」オープンまでを振り返ると、本当に色んな事があった。会社勤めをしていたら、出会う事のなかった色んな個性的な人に沢山出会えて、支えてもらった。感謝で一杯! Web、マーケティング等新しい分野も学んだ。「この家どうしたらいいんだろう」という肩の荷もずいぶん軽くなった。そもそもこの問題がなかったら、「mansikkaマンシッカ」をオープンする事もなかった。父が家の行く末を私に残したのは、皆が集まる場を作る事をさせたかったからなのかと、ふと思ったりする。

えぃや!って一歩を踏み出した後、私以外の何者かの力が働いて、色んな奇跡のようなラッキーな偶然が重なって、会社を辞めた時には想像もしていなかった現在を過ごしている。先の見えないトンネルの中にいた当時の私に、「大丈夫だ~、未来は楽しいぜ」と言ってあげたい。

そしてこれからも、未来の私は今の私に向かって、「大丈夫だ~、未来は楽しいぜ」って言いたいはずだと思いながら、毎日過ごすようにしている。

さて現在、「mansikkaマンシッカ」の運営が始まって約9か月が経過した。この9か月の間にも色んな事がありました。このお話はまた次回。


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 HomeLifeCreater/ホームライフクリエーター
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