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#182 褒めることの奥深さを考える

数年前、ラジオで褒めることの重要性が語られていた。
そして、日本人は褒めることが下手な傾向にあるらしい。

僕は今年度昇進し、人に指示したり育てたりする立場になった。
だからなおのこと褒めるということの難しさを感じている。

褒めには科学的効果がある

改めて褒めることというのがどのような効果があるのか調べてみた。
単純にやる気が起きやすくなるというのもあるようだが、それ以外にも驚異的な効果があることを知ったのである。

脳卒中の患者179人による歩行リハビリ効果の調査を行ったところ、リハビリをする際に「褒められた」患者は「褒められなかった」患者よりも歩くスピードが大幅に速くなることがわかったのです。

Vol.05普段、褒められていますか?「褒め」の持つ驚くべき効果とは | sciencingstyleより引用

褒め言葉をもらうことは、すなわち驚異的な健康効果があるということだ。
また、褒める側についても大きなメリットがあるようだ。

人を褒めることにより脳内でオキシトシンというストレスの減少や血圧低下、相手に対して親近感を抱かせる効果を持つ神経伝達物質が分泌されるとされています。

Vol.05普段、褒められていますか?「褒め」の持つ驚くべき効果とは | sciencingstyleより引用

ストレスの減少のみならず血圧まで低下するとは……!
だが、確かに誰かを褒めたときは自分もポジティブになれている気はする。
褒めることは、自分にも相手にも幸福感を与えてくれる手段なのである。

現在進行形を褒める

とはいえ、その褒め方がわからないから困っている人も多いのだと思う。
特に褒めるタイミングというのはなかなか難しい。
僕もこの褒め方がいいぞという明確な答えを持っているわけではない。

だが、仕事において心がけていることはある。
それは、行動後だけではなく、行動中に褒めるということである。

例えば、スタッフがある仕事に取り掛かっていたとする。
その仕事が完了した後に「おお、こんなに早くできたんだ。さすがだね!」と褒めることも相手にとって悪い気はしないと思う。

だけど完了後だと当然終わったものなので、その仕事への熱が冷めてしまっていることが多い。
実際、僕がスタッフだったときに全て仕事が終わった後に褒められて嬉しかったけど、「えっと、何の仕事だっけ」と忘れかけていたことがある。

なので、一生懸命やっている最中に褒めるように心がけている。
言うなれば、現在進行形を褒めるようにしている。
「おお、もうその仕事に取り掛かってるんだ、素晴らしいね」だとか、「そこまで調べてくれてるんだ、助かるよ」とか。
もちろん感謝を交えながら伝えるようにしている。

結局、尊敬と感謝が大切

褒めることは決してマストではないと思う。
むしろ「褒めなきゃ」と思ってしまうと、なんとか褒めポイントを見つけようとしてわざとらしくなってしまう。

だから最初から褒めることを念頭に置くのではなくて、結局のところ周りの人のいい部分を見つけて、それを尊敬すること。
それから、その人の存在に感謝することが一番大事なのだと思う。

ここまで書いておいてなんだが、僕の持論としては褒め言葉というのは褒めることを先行して行うのではなく、尊敬と感謝の副産物だと思うのだ。

人のいい部分を見つける。
そのためにはまず、自分のいい部分を見つける必要もあるだろう。
自分を褒められなければ、他人を褒めることも難しくなってしまうからだ。
褒めることというのは、とてつもなく難しく奥深い世界なのである。

褒められ下手な男の余談

ここまで褒めることを書いてきた。
逆に僕は褒められることが下手だと自覚している。

どうも褒められると「いやいやいや、そんなことないっすよ!」と否定したくなってしまうのである。
これもまた自己肯定感の低さから来ているのだろう。

漫画「あたしンち」に褒められ方の模範解答が掲載されている。
(「あたしンち」は人生の大切なことを教えてくれる素晴らしい漫画作品の一つだと個人的には思っている。)
「ニコッと笑ってありがト」と爽やかに言うみかんの親友、しみちゃん。
彼女のように褒め言葉を受け取れるようになりたいものである。

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立竹落花
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