見出し画像

#147 想定外を楽しんでいく

なんてこった! せっかく作った書類が全部消えてしまった!
あれも準備しろだって!? もうイベント本番は明日なのに!?

イライライライライライラ……!!

ちくしょー! なんでこう思い通りにならないんだ!

仕事においても、プライベートにおいても、
生きていれば思い通りに行かないことがたくさんある。

そうなると、どうしたって人間はイライラしてしまうものだ。
だけど、不測の事態とか想定外の出来事とかが全て悪い結果を生み出すというわけではない。

それに気づいてから、僕はそういった思い通りに行かない事態を楽しもうと思うことに決めたのだった。

思い通りにいかない人生にイライラ

僕の34年の人生で最も想定外だった出来事は、適応障害になったことだ。
心理学を学びたくて大学院に無事に進学。
先輩や同級生と楽しい時間を過ごしながら修士論文を執筆。
その間就職活動も辛くも無事に終えて、順風満帆な社会人生活を送る。

そんな想定だったのだから、まさか自分がメンタルダウンを引き起こすとは思いも寄らなかったのである。

僕はその現状にイライラしていた。
適応障害になった自分に対しても、
働きたいのに働けない現状に対しても。
終いには、「全て世の中が悪い」と他責思考になったこともある。

そんなとき、学生時代に父からもらったある本を手に取った。
植西聰さんの『望まなければ望みはかなう』という本だった。

イライラは我欲に囚われている証拠

この本で僕は「我欲」という言葉を初めて知った。

我欲とは
自分一人の利益・満足だけを求める気持ち。

デジタル大辞泉(小学館)

思い通りにいかないのは、全て世の中が悪い。
他責思考に囚われていた僕は、その言葉に不意を突かれた感覚を覚えた。

自分は、自分の成功や利益を求めすぎていたのではないだろうか。
ましてや失敗を格好悪いと決めつけ、優等生であることこそ正しいと思い込んでいたのではないか。
他人に見栄を張ることを優先してはいなかっただろうか。

「我欲」というたった二文字の言葉によって、僕の頭の中で数多の自問自答が繰り返されていった。
適応障害で休職したことで得た、想定外の空白期間。
この時間を、自分を見つめ直すために使おうと心に決めたのだった。

思い通りに行かなかったから今がある

今、心から思う。
こうしてnoteで記事を書けているのは、間違いなくあのとき自分を見つめなおせた時間があったからだ。
そのときに得たマインドや考え方を、日々記事にしているのだから。

あの想定外の空白期間がなかったら。
空白期間に、自分のことを見つめ直すことができていなかったら。
もしかしたら、今頃あのとき以上に傲慢な人間になっていたかもしれない。
今僕と一緒にいてくれる友達たちも、noteのフォロワーの方々とも出会えていなかったかもしれない。

もちろん物事が思い通りに行かないと、今だって慌ててしまうし、時にはイライラしてしまうことだってある。
だけど、そのときフッと「我欲」という言葉を思い出すようにしている。

そこで、自分を省みることができる。
今の自分がいるのは、思い通りにいかなかったおかげなんだよ、と。

だから僕は、なるべく想定外を楽しんでいこうと心に誓ったのだった。

人生、想定外のことだらけだから

思い通りに行かないこと。
想定外な出来事。
生きていれば、そんなことばかりである。
いや、むしろ思い通りに行かないことが人生なのかもしれない。

note活動だって、まさしくそうだ。
過去の記事で書いてきたが、ここまで続けられるなんて始めたときは到底想像もしていなかった。
ネガティブすぎるかもしれないが、「誰にも読まれずに終わるんだろうな」と半ばヤケクソで始めたところもあるくらいだ。
逆にそれが期待や想定を失くしたと言えるのかもしれない。

何にせよ、想定外の出来事に対してどっしり構えられる人間でありたい。
「おっ、こんなことになったか。なるほど、さあどうしよう」
と、それを楽しむことができるような器を作っていきたいものだ。


いいなと思ったら応援しよう!

立竹落花
サポートをしていただけるととてもとても嬉しいです! 読書と勉強の糧にさせていただきます!