1980~1985年のデパート屋上。ラッキーボール
古い話で恐縮です。先日、テレビをだらーっと見ていたら、群馬県にある「個人経営の博物館」が紹介されていました。
そこは、昭和をテーマにいろんな物品を展示しているとのこと。
その番組中に2秒ほど流れた「ラッキーボール」で楽しそうに遊ぶ、来館者たちの映像に私は深い印象を受けました。
そう、ラッキーボールです。
ラッキーボールはスマートボールから派生したゲームです。同じくスマートボールから派生した、もっと有名なゲームは「パチンコ」です。
何それ?どういう遊び?という方々がきっと大半ですよね。たぶん。
私はこれがどういうゲームか知っています。ノスタルジイを感じてしまうのです。?あ、私のだいたいの年齢を自分で白状している・・・。
1955年頃から始まった日本の高度経済成長。この高度成長と呼ばれる期間は約25年ほど続き、日本は長期間にわたる好景気を享受しました。
その時代には日本の各地で「デパート」と称される商業業態がコロコロと生まれ、その屋上には「お子様」を吸い寄せるゲームコーナーがありました。
しかし、高度経済成長の終焉とともにデパートは次々と倒産(ないし業態変更)。しかも、細々と生き残ったデパートの屋上にあったゲームコーナーは、同時期にひとつ残らず改装されて消滅しました。こんなモンではお子様を集客できない時代へと、遊びのパラダイムシフトが起こったからです。
*日本史の復習:
厳密には、高度成長の終焉という理由だけでないです。ちょうど同じ時代に「メガ・(スーパー)マーケット」という業態(ダイエー等)が出現し、デパートの客を奪い始めたという時期でもあります。「2重苦:ダブルパンチ」がデパートを襲ったというのが正しい認識です。
この当時の「ゲームコーナー」って、今のゲーセンと全然違います!
当時に設置されてたゲームは、すべて「メカニカル(機械式)ゲーム」でした。
ちなみに今のゲーセンに置かれているのは「ビデオゲーム」です。内部のツクリが全く違います。
メカニカルゲームの代表格がラッキーボールでした。
あと他には、「フリッパー・ピンボール」とか魚雷戦ゲームとか、サファリ探検(結局はドライブゲームなんだけど)、UFO(要するにシューティングだけど)・・・まあ、いろいろありましたが、ともかく全部「機械」なんです。
例えば、シューティングゲームの場合だったら、敵UFOの赤いボタン部分にこっちが撃った「タマ」が当たった時は、そこがカチっと後ろに凹むことによって何かのスイッチが入り、さらにその後ろのほうで、ピタゴラスイッチ的な機械的動作が発生して、ピカッ!って赤い豆電球が一瞬輝くと同時に「ドガーン!」っていう音が流されるみたいな?
そういう「ピタゴラスイッチ」な雰囲気をイメージしてください。まあ、そんな世界です。
メカニカルなゲームコーナーって、要するに歯車だの、油圧式ポンプだの?まあ、ともかく中身に機械類がぎゅうぎゅう詰まってる大変な構造物なので、それぞれの躯体が1台ごとにバカでかいコト。たとえて言うなら「スターウォーズ・バトルポッド」くらいデカかったですよ、1台1台が。
さて、ラッキーボールに戻ります。これ、プライズ(賞品)がありませんでした。
お祭りの縁日みたいに射幸心をあおる目的じゃないんで、デパートにおいては、そういう賞品系のルールは適用しなかったのです。
ボールが直線状に4個並んだから、だから何?ということで、ゲーム目標もはっきりしてません。・・・・でも、遊んでみると楽しいのです。
ボールが4個並んだら、ただ純粋に嬉しいですし、あともう一個だったのにっ!くやしいっ!てなるのも、なんだか心が揺さぶられるのです。
そんなところに私は「ゲーム;遊ぶための物品」のデザイン本質を感じます。
ただ、触るだけで楽しい、ただ、コマを動かしているだけで楽しい。そんなゲームが作りたいな。自分が作るゲームには、そんなエッセンスを持たせてやりたいな。と思います。
今日は単に自分の思いを書いただけになっちゃいました。
駄文すいません。おやすみなさい。
追伸:
タイトル画像はラッキーボールをイメージした自作の図です。
なんだかこの図からボドゲのアイデアが浮かびそうな気がしてきませんか?
ゲームシステムのデザイナーって、何なの?どういう意味? そんな疑問は、私の記事群によってご理解いただけるものと期待してます。 ラジくまるのアタマの中にある知識を活用していただけるお方、サポート通知などお待ちしています。