Tesseractだけが繰り返し構造体なのか?そして、トポロジーとボードゲームとの関係(1)
さて、前回はTesseractは「有限な体積の内部に」「繰り返し構造が無限に続いている」ということで、奇妙な図形概念だと論じました。
4次元なんていう「仮想の世界」には、そういう「おかしなモノ」のがあるんだー。へぇ~~。
と、一瞬、そこで納得しそうになったのですが、
そういえば、すでによく知ってる図形で
「有限な面積の内部に」
「繰り返し構造が無限に続いている」
っていうモノがあるじゃん。と、ふと、ひらめき連想しました。
トポロジー(位相幾何学)でいうところの「トーラス(Torus)」です。
実世界ではドーナツとも呼ばれる構造です。
トーラスを赤線と黄色線のところで切って、展開図にします。展開図は正方形(or長方形)になります。
AはAと、BはBとつながっているので、トーラスの表面は、繰り返し構造が無限に続いている。そんな見方・考え方もできます。
*やっぱり、トーラスと、Tesseractとは類似性が高い。
こうなってみると、4次元・超立方体(Tesseract)は、トーラスを1つ高い次元に「拡張したもの」です。そんな見方もできそうです。
4次元・超立方体って、はるかに遠い存在ではなくて、実は、トーラスがちょっと1段階・高次元になっただけ。かなり身近な物品だったんだと、考えを改めないといけないようです。
さて、話はトーラスに戻りますが、ト-ラスの表面でボードゲームやってみようとの試みは、かなり古くから行われてきました。
たぶん、人類史上初のトーラス(Torus)ボドゲの試みは「囲碁(Go)」だったろうと思われます。
*歴史的検証は、ざっと軽くしか行ってないんで。あまり突っ込まんでください。
本当にドーナツ形状にワイヤーフレームをくみ上げて、その巨大なドーナツ状ゲーム盤を用いて、囲碁をテストプレイしてみたという記録を昔読んだことがあります。ところが、これ、その後どうなったのか、検討した方々は感想文を残してくれなかったらしいのです。
囲碁はそもそも、4つのカドをどうやって支配するかが主要戦略なゲームです。従って、カドが全くないトーラスのゲームボードでは、戦略がふわふわしちゃって、両名共に右往左往してしまい、どうして勝ったか・どうして負けたかわかんない?という結果になったのではないかなあ。と、他人事ながら想像してしまいます。
*しかしそもそも、わざわざトーラスのワイヤーフレーム立体模型を作らなくても、普通の囲碁盤を使って、上下、と、左右、とはつながっていることにする!と信じながら遊べば、少なくともテストプレイだけは可能ですよね。(筆者はテストプレイしていません)
誰かがテストプレイして、感想文をBGGに投稿して頂けることを期待しています。
まだ続きます。