D780と東大寺に初詣。
ここ数年除夜の鐘を聞いたら初詣に東大寺に行っている。神社に比べて人出が控えめな上に、1/1は大仏殿まで入らせていただける。
0時過ぎまで仮眠を取って、1時頃出発。先ほどは除夜の鐘を聞いたらと書いたが、実際にはほとんど聞いたことがない。阪奈道路を東に走り、1時間ほどで奈良公園に到着。
駐車場に車を停めて東大寺まで歩く。昨年は喪中であったので2年ぶりの初詣。一昨年は露天の辺りはものすごい人混みであったが、今年はそこまで多くはなかった。当時はコロナ禍で旅行に行けなかった人たちが集まってきていたのかもしれない。コロナ以降日本社会は変性してしまったが、人の流れはようやく正常を取り戻したように感じる。
東大寺に向かうと初めに見えるのが南大門。段上に上がり、門の両側を見ると阿行と吽形の力士像がある。高さは15mほどに見え、見た目は非常に逞しい。そして力士像を収めている南大門もなかなか巨大な木造建築である。昼間は像は陰になって鮮明には見えないが、夜はライトアップされてはっきり見える。
門から大仏殿を望むと中門の後ろにライトアップされた大仏殿が薄っすらと浮かぶ。中門までの道では焚き火されており、囲んで暖を取れる。仏教的に意味があるのだろうが、私には不明である。近づくと暖かいだろうが、ダウンに穴が空くのは御免であるので、遠くから眺めることにした。
さらに進むと中門に行き当たり、門をくぐって伽藍の内部へ。昨年は中門をくぐることはできず、脇にある小さな入り口から入った。やはり中門から入るほうが雰囲気があって良い。
中央には奈良時代から現存している八角燈籠。大仏殿の窓からは大仏が覗く。この窓が開けられるのは元旦と盆のみの特別仕様だ。両脇では籠の中に焚き火が付けられている。パチパチと音を立てて厳粛な雰囲気を一層醸している。今回も火には近づかず、遠目に眺めるに留めた。
いつもは50mmのレンズを付けているが、今回は135mm。舞い散る火の粉がダウンを焦がさないか心配することなく火を撮りたかったので今回は135mmのみ持ち出すことにした。
使いにくいと言われやすい135mmであるが、もともと望遠が好きな私にはちょうど良かった。それに画角が狭いので余計な物が入りにくいし、とにかく圧縮効果が掛かるので重なりさえ気にすれば「良い感じ」に写ってくれる。
あまり広場に長いこと居ると身体が冷えるのでほどほどにして大仏殿内部へ。
大仏殿正面にある香炉では線香をあげる人々、中では蝋燭を立てる人々。信仰心が薄いとされる日本人であるが、線香の煙と蝋燭の光は多分に宗教的である。伊勢神宮もかなりの人出だったようでなんだかんだしっかりと初詣してるのだ。
一周したら今度は二月堂へ。奈良公園の周囲では二月堂が一番のお気に入り。大仏殿から山に向かう道には街灯が全く無く、真っ暗闇。それ故か二月堂へ向かう人はほとんどいない。持ってきていた懐中電灯の灯りを頼りに手向山八幡宮の鳥居をくぐる。しばらくして斜め左へ分岐する道があるので、そちらへ入る。少し歩くと広場が現れ、急に明るくなる。広場の奥には二月堂の屋根が見える。
階段を上がり、広場に出たら二月堂の横にある心臓破りの石段を登る。これがかなり辛い。段数はしれているが、運動不足には堪える。
回り縁からはもう暗くなった奈良の夜景が見え、正面には大仏殿の甍が薄っすらと見えた。線香を手に取り、香炉に埋められた火種に先を押し当てる。しばらくすると線香から煙が漂い、香炉に立てる。鐘を鳴らして手を合わせる。これにて今年の初詣は完了。
北側の階段から裏参道へ回り、大仏殿に戻ることにする。振り返ると蝋燭の明かりや天井から吊るされた灯りが宝石のようだった。
石段を下り裏参道を5分ほど歩けばすぐに大仏殿と七重の塔跡の間に出られる。細長い堀のような池の横には街灯が並び、夜の道を照らしていた。南大門をくぐって駐車場に戻ったころには午前5時になり、もはや朝食というべき夜食を食べて大阪に帰ることにした。
なんだかんだで大きな怪我も病気もなく新年を迎えられたことに感謝しつつ、2025年もできる限りのことを尽くして過ごしたいと思う。
それでは今週はここまで。今週も皆様にとって良い週末となりますように。
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