PENTAX17試し撮り。カラーネガ編
少し前にモノクロネガでの試し撮り結果を報告したが、カラーネガはさらに分かりやすく良い写りだった。白黒でのファーストロールはILFORDのHP5+を選んだが、カラーネガはKodakのColorPlus200を選んだ。お手頃な価格で癖なく使いやすいフィルムだ。
夏と言えば青い空に白い雲。もこもこと沸き立つ入道雲は一つとして同じ形はないし、すぐに違う形に変わってしまう。そんな雲をたくさん撮った。ハーフなので36枚撮りのフィルムを入れれば72枚も撮れるので雲をたくさん撮っても無駄打ちした感はあまりない。
爽やかな雲も大きくなると次第に重くなるので最終的には雨を降らす。車窓に雨粒が打ちつける。PENTAX17の最短撮影距離が25cmというのは非常によくできていて、そこまで寄るとPモードでもピント面以外はボヤける。それでいて画角は35mm換算で37mm相当の画角なので、近くまで寄っても狭くなりすぎることなく十分に使える。
また、ボケも緩やかで柔らかいボケ味なので非常に好印象である。
テーブルフォトも同様で広角であるので50cmまで離れれば十分に食卓を写すことができる。
室内の場合フィルムで撮るには少し暗いことが多いが、フラッシュも内蔵されているためきれいに写し撮れる。お好み焼きはフラッシュを焚いて撮ったが明るさは十分である。
さて、写真は再び鉄道の車窓へ戻る。夕方に特急に乗ると、夕陽は反対側の席まで差し込む。
窓から外を眺めると雲は次第にオレンジに染まっていく。案外夕焼けは夏の終わりから秋までが一番美しいのかもしれない。
PENTAX17の露出制御は正確であまり頭を使わなくてもきれいに写し取ってくれる。
そしてこの雲の色。ColorPlus200はKodakのフィルムの中では最も廉価であるのだが、露出制御がしっかりしているので、非常に良い写りである。デジタルでも同じだが、写真は明るさ一つで、白いか黒いかが決まるだけでなく、色が劇的に変わる。後でレタッチすれば自在に明るさは変えられるが、適正露出で撮れた時が一番発色が良く、美しく写ると私は思う。
それはそうとして最後は日没。沈みゆく太陽は強烈な点光源であるが、惑わされることなくPENTAX17は正解の露出を選んでくれたようだ。
2枚目は太陽のすぐ横にゴーストが出ているが、これはレンズによるものなのか、窓ガラスによるものなのかは不明である。
これで作例は以上である。紹介した写真は13枚であるが、実際にはわけの分からん写真を大量に撮影している。やはり72枚撮れるというのはありがたく、デジタルとそんなに変わらない気分で気楽にレリーズボタンを押せる。また、露出制御の正確さやフィルムを装填するときの簡便さも素晴らしく、現像するまで結果が見えないフィルムカメラであるが、「多分写っている」と信頼できるカメラだった。
特に夕焼けの時の雲はスマホで撮ってもどこか物足りない感じがするし、AIでゴテゴテにされたのもあまり好みでない。PENTAX17はフィルムの性能を最大限に引き出してくれるので、何もしなくてもきれいな写真が出てくる。
重量については非常に軽くカバンに入れていても全く苦にならない。玄人な人は重さがなくてチープだと言われるが、あまりフィルムカメラに馴染みがない人にとっては軽い方が良いのではと私は思う。重いと肩が凝るし、持ち出す機会が減ってしまうだろう。
基本的に好印象な本機であるが、不満点を挙げるとすると電源のレバーと巻き上げレバーの2つがあること。筆者が普段使っているフィルムカメラはフルマニュアルのNikonFM2とF2なのだが、これらのカメラは巻き上げレバーをカチッと予備角の部分に上げておくと露出計が働くようになっている。
デジタルだとD780なのだが、このカメラだとレリーズボタンの下に電源レバーが取り付けられている。
フィルムだと電源を入れるという習慣がないし、デジタルだと巻き上げるという習慣がないのでどちらかを忘れることが多々ある。特に電源の切り忘れが多く、すぐに電池がなくなってしまうのではないかと危惧している。そのためFM2やF2のように巻き上げレバーと電源を兼用していると電源を付けたり切ったりしなくて良いので、そうなれば嬉しいなと思う。
以上でPENTAX17のレビューは終わり。レビューのようなことは普段あまりしないので、分かりにくさについてはご容赦いただきたい。どこかに出かけたときに持ち出すつもりであるので、旅行記のような文章でまたご紹介できたらと思う。
それでは今週も皆さまにとって良き週末となりますように。
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