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真夜中のデリニエーター
ドライブに出かけるなら深夜。暑かろうが、寒かろうが、ドライブは深夜に限る。
人々は寝静まり、弱いオレンジ色のナトリウム灯が物憂げに照らす路面を真っ白かつ強力なヘッドライトで沸騰させて前へ進む。
私の行く手を邪魔する者は何もおらず、一夜のうちに6つの県境を跨いで一周する。道路の脇に設けられたデリニエーターは青や黄色に反射して私を導くのだった。
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10時半。会社から帰った私は夕食を食べ、風呂に入ってから出発する。10時には出発できるわけだが、道路にはまだまだ人が行き交う時間であるので、しばし待機。時間が来ると家の前に持ってきていた車に乗り、阪奈道路を目指す。
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阪奈道路を通って奈良方面へ行くのだが、この時間になると、走り屋達がいることがある。かなり数を減らしたとは言え、集団で走る者、一人でひたすら回り続ける者など様々である。事故や取締もそれなりにあるらしく、少し前はガードレールに突っ込んだのか路面がオイルの川になっていた事がある。飛ばし過ぎず気をつけたいものである。
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道路は左右に激しく蛇行し、みるみるうちに標高を上げてゆく。眼下には大阪の夜景が広がり、水平線まで光で埋め尽くされている。
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頂上まで登りきれば、脇道に逸れて京田辺をへ向かうために北進し、国道163号へ。国道へ出たらファミリーマートで飲み物やらお菓子を購入して再び出発する。ここからは言葉で説明するには面倒な回数の右左折を繰り返し、細い道を進んでゆく。30分くらいは街灯のない真っ暗な道で、京奈和道の高架をくぐると街明かりが見え始め、大学が出来てから一気に発展した三山木の街に出る。
そしてしばらくして国道307号へ到達する。このドライブのメインはこの307号で、舗装と線形が非常に良い。
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山城大橋を渡る。
しばらく走り、宇治田原の街を越えると目立った街は上野まで無くなり、山の谷間を縫うように道がゆくようになる。急カーブが連続する峠道を越えて滋賀県との県境付近まで来ると一気に改良されたバイパス道路になる。
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壁面がまだ真っ白なトンネル。
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これを抜けると道路の両脇には青く輝くデリニエーターが道の行く先を案内する。
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緩やかなカーブが続き、山はトンネルで貫く。
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道路も次々に舗装が打ち替えられ、真っ黒なアスファルトが続く。
20分ほど走ったら信楽の手前まで到達できるので右折して国道422号に入る。少し道幅は小さくなるものの、こちらも快適な道が上野の手前まで続く。ただし、最後まで行くとかなり狭隘な道になるので手前で右折して広域農道に入る必要がある。
街灯が全く無い下り坂をしばらく進むと再び422号が横から戻ってきて、全長1500mの三田坂トンネルを抜けると谷の上で大きくS字を描いて伊賀上野の市街へ下ってゆく。
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上野の駅前で左折するとすぐに木津川の支流である服部川を渡る。ナトリウム灯がぼんやりと路面を照らている。
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上野城がその北端に位置する台地を掠めるように道が通り、丘を登っては下る。考えてみれば上野城は台地の北端で南北と西には川が流れているので非常に守りやすい上に、上野盆地は十分な広さを持っているので産業の面からも非常に良い立地であろう。
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伊賀鉄道の踏切を渡り、台地を下る。
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台地の縁をしばらく走り、再び丘の上に。名阪国道の上野ICにほど近いローソンでカップラーメンを食べる。夜中に食べるカップ麺は何故か異様に旨い。
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ここまでは私は助手席に座って写真を撮るだけであったが、交代して運転席に。ここからは名阪国道で一気に西へ進み、天理に出たら国道169号を北進する。途中のオメガカーブが危険地帯で高規格道路の事故発生数はいつも全国上位である。谷の隙間を縫うように大和高原から奈良盆地へ一気に下る。
天理から奈良までの169号は夜間でも対向や前の車に追い付く事が多く、人口の多さを実感する。県庁前の交差点を左折し阪奈道路で大阪へ。最後はつづら折りの山道になり、橋梁からは夜中でも明るい大阪平野が見える。やはり三大都市圏なだけあり、これまでの街とは別物である。
これで私のいつものドライブコースは終わり。大阪、奈良、京都、滋賀、三重、奈良、大阪と近畿地方の真ん中部分をグルっと一周するコースとなっている。丹後や奈良南部などコースを変えてみたりもしたが、結局このコースがバランスよく、満足度が高い。一つ欠点があるのは307号の区間が短いところ。一番楽しい区間がすぐに終わってしまうのが、少し残念である。
近畿在住で、夜寝付けない人は走ってみてはいかがだろうか。
さて、今週はここまで。この週末も皆さまにとって良き週末となりますように。
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