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午後4時

午後4時ちょうど。
私は空きコマをモールで過ごしそこから駅へ向かおうと、モールと駅を繋ぐ通路をほげーっと何も考えずに渡っていた。

すると突然、隣から、「すいません。」と、わけぇ兄ちゃんに声をかけられた。(同い年くらい)

「可愛いなと思って、声かけました」

そのわけぇ兄ちゃんは言った。

...?

最初、日本語の意味がわからなかった。

カワイイトオモッテ.....カワイイトオモッテ.....

その言葉が心にこだまして、やっと意味を理解したとき、咄嗟にこういった。

「アイヤイヤイヤイヤイヤイヤソンナソンナソンナ!!!!!」

コミュ障すぎて草。

そんなわたわたと忙しい私にはお構いなしにわけぇ兄ちゃんは「これから帰るん?」と聞いてきた。

「あっいえ、大学デス!!!!!」とパニックになりながら答えた。

「そっかー、それやったら連絡先交換せえへん?LINEとか!」と言ってきた。

いやでも今まで何度も最初は表面上の自分を見せそこから付き合い私の性格を知って幻滅され振られると言った経験があるからもう傷つきたく無い....なによりナンパしてくる男って彼氏としてどうなのだろうか...いやこの時代ナンパから付き合うのとかもありか..........いやでも私は付き合うならバイトか学校か部活かサークルで出会いたーい!(その間0.2秒)

と頭をフル回転させた結果放ったセリフが、「ススススミマセン私なんざたいそうな人間では無いので他のもっと可愛い方を見つけてください!!!!!!」。

非モテ女のセリフすぎて草。

そして私は駅へと駆け足で去っていった。

そしてちょっとしてから、

「いやでもちょっとカッコよかったし、連絡先くらい交換してもよかったかもな....」

などと思いながら、人生初ナンパに、ちょっと緊張して、ちょっとだけ嬉しかった午後4時のことだった。

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