ふと
暗がりに眼鏡を探す。
油断をすると直ぐ夜が始まる。
下ろし立てのロングコートがしっくりきて
今日も夜と彷徨う。
そうして
何処かの誰かの妄言に囚われることもある。
何十回と読んだあの小説のフレーズよりも
しっくりきてしまったりして。
今日の僕はどこかおかしいけれど
いつもと同じ様にも感じる。
いやいや、確実に
毎日毎日ちょっとずつ何かが変化している筈。
だって
最近は前髪のセットが難しい。
なんだか髪の毛の本数が減ってきていないか。
歳を感じる歳になってきたということ。
走り回る事をもう数年はしてなくて
それは不必要と置き去りにしてきた大切な時間だったりしたのかな。
あの時の僕はどうしていたんだろうか。
でもきっと
おじいさんになった時に
何をしてきたかはちゃんと思い出せなくても
幸せだった事を、幸せな今を噛みしめるんだと思った。
僕は今それを噛みしめて生きているもの。
冬の訪れを感じる暖色の部屋に満たされている光。
時間がいつもよりゆったりと流れるよう。
髪の毛は減らないで欲しいけれど。
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