シノビガミ「名探偵に挨拶を」

忍術バトルRPG・シノビガミのフリーシナリオです。
探偵と助手のうち助手のほうのRPをやったり、戦いをしたりできる程度の探偵怪文書です。

2020.5.6:公開

「名探偵に挨拶を」
シナリオタイプ:対立型
PL人数:1人
リミット:1サイクル
レギュレーション:現代編
階級:自由
あり:背景、奥義改造
なし:儀式忍法、一般人、従者、死亡宣言

プライズは戦果として奪取・押し付けが可能。それ以外では移動しない。
PCとNPCはセッション開始時から互いの【居所】を所持している。

PC1
推奨:なし
あなたは記憶を失って古めかしい館の一室で目覚めた。
かたわらにいたNPCは、尊大な態度で自分こそが名探偵であると名乗り、あなたは自身の助手なのだと告げる。
あなたの【使命】は記憶を取り戻すことだ。
あなたはプライズ「助手の天命」を持っている。

プライズ「助手の天命」
探偵助手の持つ天命。
クライマックスフェイズの終了時、このプライズの所持者は探偵助手として承認される。
助手として承認されたものは、常に名探偵のそばに控え、名探偵を支えなければならない。
このプライズとプライズ「探偵権限」を同時に所持した場合、クライマックスフェイズ終了時にこのプライズは消滅する。






――以下GM情報――










●シナリオ背景
 “名探偵”とは事件の解決装置にして作中世界の神です。
 PCは探偵でしたが、すべての記憶を失っており、神としては死んだ状況です。部屋にある死体は記憶喪失になった神のメタファであり、本物の死体ではありません。
 現在世界は神不在の状況であり、とても不安定な状況です。このままでは解決装置を失った世界には未解決犯罪があふれ、混沌の世に変ずるでしょう。
 それを防ぐため、次代の“名探偵”として資格を得たのがもともとはPCの助手であったNPCです。しかしながら、探偵には助手の存在が不可欠。探偵と助手が揃ってこそ、作中世界の天理の鎖たる“名探偵(シノビガミ)”足り得るのです。よって、NPCはもっとも身近な存在たるPCを助手とすることに決めました。
 作中世界の縮図たる小世界、“館”の一室で、この事件は始まります。

●導入フェイズ
 PCは記憶を失って古めかしい館の一室で目覚めます。NPCは床に倒れているPCに対して尊大な態度で驚き呆れ、「大方頭を強く打って記憶を飛ばしたのだろう。まったく仕方のないやつだ」とため息をつきます。PCの足元には踏みつけた形跡のあるバナナの皮が落ちています。
 PCとNPCがある程度会話したら、「NPC」「死体」プライズ「探偵権限」を公開し、導入フェイズは終了します。

●クライマックスフェイズ
 PCとNPCとの戦闘になります。
 NPCのデータはPCと同じ条件で作成したものをGMが用意してください。PCと同様に、回想などを使用できます。
 NPCが勝利した場合、PCに自身への「忠誠」の【感情】を獲得させます。

●エンディング
▼PCがプライズ「探偵権限」を所持している、プライズ「助手の天命」が失われている
 膝をついたNPC、死体、館がぐるりと反転するように歪んで消え失せ、PCは気がつけばどこかの街角に立っています。自身についての記憶はなくしたまま、ただ自分が名探偵の資格者であるということだけがわかります。
 これからPCはその資格ゆえに殺人事件に遭遇し続けることになるでしょう。その生において果たしてPCが“名探偵”となり得るかは、PC次第です。
 新しいあなたの道行きの産声に、お早うの挨拶を。

▼NPCがプライズ「探偵権限」を所持している、プライズ「助手の天命」が失われている
 膝をついたNPC、死体、館がぐるりと反転するように歪んで消え失せ、PCは気がつけばどこかの街角に立っています。自身についての記憶はなくしたままですが、まるですべてから解放されたような、清々しい気分です。
 これからPCは一介のシノビとしてのみ生きていくのでしょう。
 これまでのあなたに、さようならの挨拶を。
 
▼PCがプライズ「探偵権限」を所持している、プライズ「助手の天命」が失われていない
 PCはすべての記憶を取り戻し、“名探偵(シノビガミ)”に戻ります。NPCは再びPCの助手として忠誠を誓い、ともに歩んでいくことでしょう。
 名探偵の帰還に、お帰りなさいの挨拶を。

▼NPCがプライズ「探偵権限」を所持している、プライズ「助手の天命」が失われていない
 NPCは“名探偵(シノビガミ)”として世界に承認され、PCはその助手となります。世界は新しい秩序をいだき、再び安寧を取り戻します。
 今代の名探偵の誕生に、行ってらっしゃいの挨拶を。


●ハンドアウト
PC1
推奨:なし
あなたは記憶を失って古めかしい館の一室で目覚めた。
かたわらにいたNPCは、尊大な態度で自分こそが名探偵であると名乗り、あなたは自身の助手なのだと告げる。
あなたの【使命】は記憶を取り戻すことだ。
あなたはプライズ「助手の天命」を持っている。
【秘密】
あなたはNPCに疑いを持っている。
突然名探偵だの助手だの言われても信じられるはずがない。
あなたの【本当の使命】はここから逃げ出すことだ。

プライズ「助手の天命」
探偵助手の持つ天命。
クライマックスフェイズの終了時、このプライズの所持者は探偵助手として承認される。
助手として承認されたものは、常に名探偵のそばに控え、名探偵を支えなければならない。
このプライズとプライズ「探偵権限」を同時に所持した場合、クライマックスフェイズ終了時にこのプライズは消滅する。

NPC
あなたは名探偵だ。
ちょっとばかり目を離している隙に、PC1はどうやら記憶をまるごと失ってしまったらしい。
まったく、仕方のないやつだ。
この館では殺人事件が起きているというのに……。
あなたの【使命】は殺人事件を解決することだ。
あなたはプライズ「探偵権限」を所持している。
【秘密】
あなたは本来名探偵ではなく、その助手だ。
名探偵はすでに亡く、この世界は名探偵を求めている。
あなたの【本当の使命】は名探偵になることだ。

プライズ「探偵権限」
名探偵の持つ権利。
クライマックスフェイズの終了時、「助手の天命」が破棄されていなければ、このプライズの所持者は名探偵として承認される。

「死体」
部屋にうつぶせに倒れている死体。
【秘密】
死体はあなたと同じ顔をしている。これはあなただ。
唐突に理解する。
あなたこそがこの館に訪れた名探偵だったのだ。
この【秘密】を見たキャラクターの【本当の使命】が「名探偵に戻る」に上書きされる。
また、クライマックス戦闘の戦果として「自分と相手のプライズを入れ替える」を選択できるようになる。

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