みはしのあんみつ

世界は重い、そして軽やか。

ふっとあんみつを食べたくなって、帰りの電車をふわっと降りる。ただそれだけの軽やかさ。ただそれだけの自由。  

ざわざわの人通りを抜けてお店に向かう足と、生暖かった空気をひんやりとさせる風と、知らず知らず暮れる陽、手にぶら下げているちいさなヤシの木、、
一瞬を抱える豊かな重さ、惹きつけられる重力、この世界は重い。

不自由に縛られているわけではないのに、いつでも「自由」を望んでた。  

望んだ「自由」は、じぶんそのもの。  

ほんとうには、その軽やかさを知っているから。世界が色とりどりに鮮やかな色と光に溢れていることを、ほんとうには知っているから。
ひらひら舞うように、泳ぐように、踊るように、この重力のなか、このカラダを廻らせる。

甘い。シアワセ。




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