下手な相手に愚形リーチのみを打っていいのか?

最初に言っておくがこれは麻雀の話である。
変なお題だがまずそもそも愚形リーチのみって打っていいのかという話は身も蓋もないことを言ってしまうと場合によるという私があまり使いたくない言葉になってしまう。
よってここではこう言い換えようと思う。
「上手な相手に打つ時は正しい判断になる愚形リーチのみを相手が下手な場合はリーチを打たないという戦略は得なのか?」
と考えてみよう。


最初に私が考える結論を言うと「得にならない」である。
もっと言うと瞬間的にそうなる事象は存在するが総合的にはならない。
だがそれに異を唱える方もいるだろう。
それは以下のような思考と思う。

下手な相手とはつまり上手な人より間違える相手である。
押し引きとは基本的には手牌価値に対して行うのが基本だ。
よって上手な人は適切なレンジで押し返してくる。リーチに押し返すのに必要な手牌価値の損益分岐点を3として手牌価値を1~5で仮定する。大きいほど手牌価値があるとしよう。
愚形リーチのみはリーチの中では最弱なので愚形リーチのみと分かっているときの条件付きでは必要な手牌価値は2以下になる。まあ今回は2ってことにしよう。つまり1は愚形リーチのみでも押しが損になるということだ。
愚形リーチのみを何でもゼンツマン(ここでいう下手な人)に打ちたくないと考える人は本来ならリーチに降りるべき2の手牌価値で押し返されてしまい本来なら咎められるべき相手の行動が正当化されることを恐れているのだと推測する。


では対リーチの損益分岐点を2だと思っている人には不利なのか?
多分否である。
瞬間的に損なのは相手の戦略がリーチ押し引きの損益分岐点2でかつ2の手牌を持っているパターンのみだ。
1以下の手牌の時は押し返されたら相手が上手な時より自分が得をするし、降りたら相手が上手な人の時と同様に自分が得になる、即ちこの時はリーチをしないと損になる。

またそもそもそれ以外の手もリーチするのだ。平和ドラ2もリーチするわけでその時に必要な手牌価値の損益分岐点は4になるバズだ。そのときもその相手は2の、場合によっては1の手牌を押してくれるのだ。
総合的にはその相手を打倒し得るだろう。


まとめよう。
麻雀はその戦略で相手の戦略を打倒し得るかが長期では重要なはずだ。
なので愚形リーチのみは打っていいかと考えるより自分が行うリーチ全体における愚形リーチのみの割合はその相手に適切かという尺度で考えるべきだ。
つまり下手な相手には愚形リーチのみを打たないという戦略は本来はリーチに押し返せない手だが愚形リーチのみだから採算が取れた反撃手を避けられる利得が生まれる反面、上手い相手でも下手な相手でも採算が取れない相手の手を救済してしまう損失を生み、採算の取れない手を押してくれる利益を損失すると思う。
またこれは手牌価値に対する押し引き技術に焦点を当てたものであるが下手な人ほど切る牌の放銃率の把握精度もズレるので当然その部分でもより相手が間違えて自分が得をする。
レンジで考えるなら不利な打ち合いが全くないのは戦略としていくらかの機会損失になっていると思う。

まあめっちゃ簡単に言うとリーチに対する対処という問題は下手ほど間違えるんだからその機会は増やした方が自分にとって得ということである。


おまけ

この手牌価値は1~5のどれだろう?

通常進行の手牌価値と対リーチの手牌価値って少し違うけど大目にみてね。
あと下手な人という言葉を使ってしまったがこれは厳密には定義が迷子で強いとか上手いとか弱いとか下手とかは誰と比べてという部分を省くと実は意味不明だ。そもそも押し引きが完璧な神からすれば皆下手だからね。
ただ相手が下手な〇〇レベルだとこれは何々みたいな言葉を何も考えずに使ってるのに対するアンチテーゼとして書いた記事である。
なんかちょっと脱線した気もするけど。


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