ノマドランド
ノマドランドを見た。
主演は、マグドーマンド。映画 「スリービルボード」や、amazonのドラマ・「オリーブキタリッジの生活」を見ていて、そのパンチの効いた個性的なオバちゃんの演技に注目していた。ぶっきらぼうで、孤独な人物を演じさせたらだれよりも魅力的な存在感を放つ女優さんだ。
「ノマドランド」の中の放浪する女性もまた、深い悲しみでできた厚い鎧で覆われた人物だ。
務めた会社も、住居も、そしてパートナーも失って、キャンピングカーに大切なものだけを詰め込み、一人寝起きする女性がいる。
壊れた食器を直し(思い出の食器は、実際にマグドーマンドがお父さんから贈られたものらしい)、自分で編んだ鍋つかみとお盆を交換する人。
世界中で、モノを徒に消費せず、静かに心を見つめるたくさんの時間をもつ人たちがいる。
生きるために必要なアクションと、自然の中でじっとただずむひと時を、頑固に守る人たち。
彼らの孤独は、失ったものを自分の中でつなぎとめる生き方そのものだ。
美しくてヒリヒリとするような、寂しい風景の中で、何人ものファーン(主人公)が存在している。
そんな人たちを取材して本にした、ジェシカブルーダーの意思を、中国人監督のクロエ・ジャオがリアルなロードムービーにした。
*イタリア製の靴。
amazonで買った。ファーンが、季節労働者として、amazonで働くシーンがある。
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