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最近の記事

ネット県民からの、負託

気味の悪い社会になってきた。斉藤元彦とXで検索すると、知事を賞賛する書き込みが繰り返し表示される。 24時間SNSにしがみつくことに苦痛を覚えない人たちによって、品のない報復が続いているようだ。 イーロン-トランプの世界が日本にも広がって来て、対話よりも脊髄反射的に相手を攻撃したり、対立構造のみで物事を捉えて、10秒と落ち着いて物を考えられない人たちが増えてきているような気がする。 反論に対する耐性の低さ。議論を単純化する傾向があり、すぐに「マスゴミ」と言って得意になっている

    • オルガンコンサート

      サントリーホールへ、オルガンコンサートを聞きに行く。バックステージ見学のおまけつきで、無料。近所に住んでいると、いろいろと都会らしい楽しみ方ができる。 オルガニストの人は、京大の法学部を出た後に、芸大でオルガンを学んだ変わり種。パヴァーヌなど、素敵な演奏でした。 国立新美術館の上にある、ポールボキューズでランチをと思って行ってみると、7~8人が座って待っていたのでやめて、アートウィークの送迎バスを使い、青山へ。 スパイラルの上、ミナペルホネンの「CALL」でちょっと時間が早か

      • 「ボクの穴、彼の穴。」僕の穴。

        青山スパイラルに、「ボクの穴、彼の穴。」を観に行った。2人が演じる舞台をwキャストで。僕が行ったのは、窪塚洋介の息子さんが出ている回。 戦時中、塹壕に潜り目前の敵の気配に身をすり減らしながら、妄想逞しく1日1日を送る「ボク」と「彼」。 その「穴の生活」の葛藤を見せながら、家族や仲間を故郷に置いて戦地に赴いた2人の「ただの人間」としての姿を浮かび上がらせる。 ゆずとか日テレみたいな安い人類愛にまみれたお芝居かなあと思いながら、初々しすぎるスタイルのいい窪塚さんの演技を見ていた。

        • ダイソーまで散歩

          帰省する奥さんの荷物を持って、駅まで送り届けると、さっきから目の端で気になっていた、目の見えない人に声をかけた。 「どちらにいらっしゃるんですか」って。 聞くと、ダイソーがあると聞いたからそこに行きたいという。 僕も「ちょうど用があるんですよ」と答えて、一緒に行くことになった。 小柄で年配の人は、「あら、ラッキー」とつぶやくと、ひょいと身軽に僕の右側に位置を変えて、腕をとった。そして、早足で歩き始める。 「山歩きでなれてるもんだから、早くても大丈夫よ」と言いながら、どんどん進

          ガン患者へのことば

          坂本龍一の闘病記が高い注目を浴びている。2020年に直腸がんの転移をみつけ、6回の手術を受けているという。 NYの病院にかかっていた坂本さんが、仕事で帰国したときに、こんな対応があったらしい。 日本の病院で最初に診てくださった腫瘍内科の先生には、『何もしなければ余命半年ですね』と、はっきり告げられました。かつ、既に放射線治療で細胞がダメージを受けているので、もうこれ以上同じ治療はできないと。加えて彼は、『強い抗ガン剤を使い、苦しい化学療法を行っても、5年の生存率は50%です

          ガン患者へのことば

          日記0309

          京王線が人身事故で止まってしまい、明大前で降りて駅の近くのマックで30分ほど過ごした。コーヒーとアップルパイ。 毎日、苦しい状況にいて、祈るように1日1日を過ごす。 朝は悲しい。夜も不安。だから、もう執着はよしてその日をできるだけ味わいつつ終えていこう。

          グランドブタペストホテル

          ウェス・アンダーソンの「グランドブタペストホテル」DVDをamazonで買って、見た。 エレガントなピンクの城が、険しい山の頂に建っている。レイフファインズ演じる、ホテルのマネージャーは、お金持ちで孤独な超高齢のマダムを慰める役だ。 軽薄で繊細、人情家で厳格、粗野でエレガントなホテルマンと彼に仕込まれるロビーボーイ。戦争前夜の不穏なヨーロッパの山奥で繰り広げられるウェスの世界にまた引き込まれる。 コミカルな空想世界を紡ぎだして、ときどきゾッとするような不吉で理不尽な社会の姿を

          グランドブタペストホテル

          不安との付き合い方

          不安な日々。 平穏な生活が、如何に貴重な時間なのかは、ことが起きてはじめてわかる。 「希望的想像と同じくらいおろかしく、それよりもたしかにずっと苦しい恐怖の幻想に身をゆだねるほど、わたしはまだ弱っていない。仮に私が自分を欺かねばならぬとしたら、信頼の側に身をおくほうがましであろう。その方が、恐怖の側に身をおく以上に失うことはなく、苦しみはより少ないというものだ」ハドリアヌス帝の回想より

          不安との付き合い方

          きらいなことば

          カスタマーサクセスって、なんだか嫌な言葉だ。カスタマーサクセスが いるカイシャもなんか嫌。あと、成長。成長戦略なんて、そんな ことをいつも言っている人は、あまり本を読まない人なんじゃ ないか。エビデンスがないと。ファクトが大事。感動を ありがとう。自分に嘘をつけないから。ゆずとか 聞いて、早く寝てください。腸内環境を 整えつつ。マインドフルネスで。 SDGsで。

          きらいなことば

          DUNE 砂の惑星

          週末、DUNEを観に行った。砂の惑星を描いて、美しい映像があった。 砂漠で採れる香料が、宇宙の存在に関わっていたり、青い目に変化した土着民の生態がエキゾチックだったり、まるで近未来版のモロッコを見ているようだった。 好きなデヴィッドフィンチャー監督のDUNEも、amazonで観てみた。 40年も前の作品で、古代のスペクタクルを見ているようだったけど、さすがフィンチャーだけあって、女優さんはすごく美しい。でも失敗作。 映画を見た後、2丁目の小さなタイ料理屋さんでご飯を食べて帰

          DUNE 砂の惑星

          『酒場 學校の日々』

          この本、とてもよかった。 『パリのすてきなおじさん』という本を読んで、金井 真紀さんの文章とイラストが、たのしかったので、もう一冊選んでみたら、当たりだった。 詩人の草野心平が糊口を凌ぐためにはじめた居酒屋。当時お手伝いしていた女性が、新宿のゴールデン街でその「學校」というバーを再開。そのことをしってから数年後、まだ30歳そこそこの金井さんが、お店の扉をたたくところから。 踏み入れないと、一生出会いそうにない人々との、淡くて濃い交流譚が、なんともジンとくる。

          『酒場 學校の日々』

          自分の環境くらい

          そろそろ、環境を変えたいと思った。 どんな人を目標に生きていくのか? 誰かを非難したり、揶揄したり、笑いものにしたり、怒ったり、上げ足をとったりする、ろくでもない日々の雑音から遥か遠ざかり、よい音と言葉、穏やかで知的な態度、機嫌よく生きている人のいる世界に身を置いて生きていきたい。 あらゆる広告、うるさい交通機関、含羞のない会社の人間。 そこは自分が生きる社会ではあるが、近くにいる人や思想は選べる。大いに選べる。 そのためには、思い切った犠牲も、十分に報いることだろう。

          自分の環境くらい

          はじまりのコップ

          本の表紙に、空っぽのシンプルなコップが写っている。 透明感があって、すこし滲んでいるような。ガラスのただずまいがいい。 泡立ったビールがとても美味しく見える。 左藤玲朗という人が作った吹きガラスだ。この左藤さんのブログで公開している文章がなんとも味わいがある。 大変な時期に、予備校講師や代用教員として「現国」を教えていたというから、なんとも含羞のある言葉にうなずける。 『はじまりのコップ』で取材されているときの、応答にも、教条的なものの言い方とか、精神論とか、そういうものを遠

          はじまりのコップ

          映画「ジェントルマン」荒れる魂には、エレガントな服がはまる。

          映画「ジェントルマン」を見る。ガイリッチー監督+マシュー・マコノヒー。 マコノヘイの着こなしが、とにかくかっこいい。 衣装デザインを担当したマイケル・ウィルキンソンが、「英国紳士」な3ピースのスーツをデザインしている。 着心地のよさ、ミッキー(マコノヘ)の上機嫌が伝わってくるような、すばらしいジャケットだ。もちろん、長身でスマートなマシューのスタイルがなくては、ここまで素敵にならないだろう。 引退を希望するマリファナ王・ミッキーの右腕を、チャーリー・ハナムが演じている。怒りの

          映画「ジェントルマン」荒れる魂には、エレガントな服がはまる。

          日々のサブスクリプション

          毎日の通勤で運動するということは、健康のサブスクと言える。 階段をつかうだけで、3分間のエクササイズという贈り物を自分に与えたようなものだ。 早起きして、ゆっくりとコーヒーを飲むこと。電車で好きな本を読むこと。 1日の中で、何回か受け取れる、サブスクリプション。

          日々のサブスクリプション

          毎日、小さなものを受け取ってみる

          花のサブスクで、3本もらってきた。でも、売れ残り専用の花を置いてるみたいだったよ、日比谷花壇は。 注文していた、新訳「カラマーゾフの兄弟」と「動きすぎてはいけない」が来る。50歳を前に、少しは実のある読書をしたいと思って。 うっかり48歳になってしまうと、不惑とはかけはなれて、小さな抵抗を試みたくなる。

          毎日、小さなものを受け取ってみる