グレー混じりの濁ったパステルカラーみたいな夏を待ってる
その人の笑顔は暴力的だが 笑うのをやめて俯くと 重苦しい宗教画のようだった 私はその人の肩越しに 遠くで雨が降っているのを見つめていた
それはほとんど存在しないかのように透き通っていたので人々は気づかなかった 時折光に当たると 申し訳なさそうにチラチラと輝いていた
こんな風に 呑気に生きたい
ここに来たらもう終わりにしていい その後思い出すこともない 震える指で 渇いた髪に 横顔は煙に消えた あなたが本当は怖がっていたことだけは それだけは 秘密にして覚えておくから