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【実家の介護未満】2019.10.19 髪を切ってもらった


2023.10.1
父の月命日。ということにした。本当は31日付で亡くなったのだけど、9月は30日までだった。だから10月1日でいいのかな????閏年の2月29日の人はどうなるの?

*日記に出てくる老健というのは介護老人保健施設のこと。自宅等で生活するためのリハビリを目的とした施設で半年くらい入所できる。

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2019.10.19のこと

【初ショートステイ】

父は足の皮膚の治療が済み、リハビリ病院を経て退院する。しかし、未だ歩行困難。自宅での生活はまだ難しく、次に二つ目のリハビリ病院(老健)で、歩行訓練を集中して行ってから自宅に戻る方針となった。

今日は、老健に移動するまでの間、つなぎとして、実家近くの老人施設で初のショートステイ。リハビリ病院から介護タクシーで移動した。

この近所は、続々と新しい老人施設が建っている。ところがこの施設は、20年もやっている老舗というか「ザ・昭和」の雰囲気だった。

妹と私が付き添って入所。私たちも初めて訪れた。車椅子を押しながら、今まで明るくにぎやかなところにいたので、建物に入って無言になっていった(こんな暗い寂しそうなところに泊まらせていいのかな)と娘たちは顔を見合わせて思った。
しかし、車椅子の父は「なんか随分立派なところだね。旅館のようだね😃」と以外に好反応と来た!!まあ、本人が気にいるならよかったです💦大抵、父とは趣味も意見も合わない。

実家のすぐ近所なので、父を送りとどけてから、一旦実家に戻って着替えをもって、今度は母を連れて自転車で再訪した。

さっそくお茶のコーナーに集まるご高齢の中に紛れていた父。その前を素通りすること数回。父が痩せたせいか、私の目が老いたせいか、顔認識システムがバグってしまったようだ。この時、ほんとうに父は「おじいちゃん」なんだなと思った。孫がいないから、これまでそう思うことがなかった。

ほしいものは「散髪」


父は、数カ月の入院で髪が伸びているのが気になっている。髭ではなく髪である。ヒゲはちゃんと自分で剃ってる。病院でも櫛と鏡を携帯しており、娘よりずっと身繕いに余念がない。

「なにかほしいものは?」の答えはこのところ連続で「散髪」だった。病院や施設でも月に一回、散髪の日があるそうだが、転院やら何やらでそれを逃してしまっている。

今日は私がたまたまハサミを持っていたから、母に父の髪を切ってと頼んでみた。「やだー、プロでなきゃできないわよ!」と言いながらも、案外上手に切っていた!(ボケているとは思えない!)

私が一旦席を外し、施設の方と事務的な打ち合わせを終えて部屋に戻ってもまだ切っていた!もういいよ!と言っても止まらないから焦った!
でも、父はちょっと嬉しそうだった。

ふだんは全く相容れない二人。家では頻繁に醜い争いが起こる。それぞれの平和のために、いかに二人の距離を置くかを、娘たちはケアマネさんを含め長年検討してきた。父の入院騒ぎのせいで、いつの間にかそれが叶ってしまった。しばらく離れていたら、お互いに寛容になれただろうか。

私が帰るとき、母も帰るといったが、父がぽつねんと寂しそうだったので、「もう少しお話していったら?」と言い、母だけ残して私は自分の家に帰宅してしまった。

いい具合にボケがでている母が、一人で家に帰れるだろうか?自分が停めた自転車をみつけること、自転車の鍵を見つけることがとても大変なことがあるのに、と気を揉んだ。

さっき電話があり、家に帰れたらしい。
母は元気そうだった。実家を訪ねたときは元気がなかったのに。
父の面倒を見ることができて嬉しかったのかもしれない。

年をとって、それぞれ病気を持ち、自分のことに精一杯で、思いやりを持てなくなってしまったように見えた。慣れているからこそ、苛立ちを感じたり、要求が強くなったり、わがままをぶつけ合ったりしてしまうのだろうけれど、存在を失うと、ありがたみがわかったり、感謝が生まれたりするものなのかもしれない。



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