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【実家の介護未満】ナイスタイミング冷血ドーター 2019.4.3

昨日から実家に泊まって今日、母の新しいデイサービス(注1)を見学に行く予定だった。今のデイサービスは大分長く通っていて、だんだん飽きてきたみたい。
ところが朝からアクシデント発生。

母とは違うデイサービスに通う父は、パーキンソン病歴が長く、もうかなり体のバランスが悪くて足元も不安定。家の中では、テナガザルのように器用に柱などをつたいつつ、ナマケモノようにゆっくり移動する。毎朝暗いうちから早起きしてゆっくりゆっくりシャワーを浴び、身支度を整える。ところが、今朝、いつものように着替えの入った袋を片手で持ち、洗面所に行こうとしてとしたら途中で転んじゃったらしい。突然大きな声で呼ばれてビックリ。一人では起き上がれない。まさに裏返った亀さん。そして起き上がらせるのはなかなか大変。

頭を柱にぶつけたらしく側頭部から血がポタリ!ヒー!と思ったが、押さえていたらすぐ血が止まった!🫢 父は、一旦止まってまた再起動したロボットのように、もくもくとデイサービスに出掛ける準備を続ける。こういうところは勤勉な会社員魂。途中「送り出し (注1)」担当のヘルパーさんが来る。私はともかく、出かける母のご飯を準備する。

頭部だけど、ほんの小さな傷だし、血が止まったから予定通り父は通所することに。ヘルパーさんがこの事情を父のデイサービスに連絡してくれた。こういう時はまずケアマネさんに相談するところだが、あいにく今日はお休み!

父が出かけてしばらくして、デイサービスの看護士さんから電話があり、やはり縫った方がいいとの判断で父はデイサービスから病院に行くことになる。

しかし、これから私は母の方のデイサービスに行くわけだ。もうすぐお迎え(デイサービスへの通所は車の送り迎えが普通)が来る。

分身の術はまだ習得していないため、ともかく私はまず保険証などを父のデイサービスに届けて、そこからの通院はデイサービスのヘルパーさんにお任せすることになった。

母には、もし車でお迎えが来たら一人で行くように話して、私は自転車で父の「聖域」であるデイサービスに向かう。
よりによって頼れるケアマネさんがこんな日にお休みとは!
オウ!ノウ!

保険証などを届けヘルパーさんにバトンタッチ。今度は母が見学するデイサービスに自転車を走らせ、車で送ってもらってきた母と合流→見学。幸いふたつのデイサービスが近くだったからよかった。

ここはルネッサンスが経営母体で、ジムのようなデイサービス。運動専門でトレーナーさんの指導。ふむふむ体を動かしたい母にうってつけ?と思ったが、「元のデイサービスのよさがわかった」と言って本人は乗り気ではなかった。がくり。

そのあと一旦家に帰り自転車をおいて、今度はタクシーで父の行った病院へ。父のデイサービスに連絡を入れ、病院まで付き添ってくれたヘルパーさんの居所を確認し、再びバトンタッチ。

父はすでに頭を縫われていた。縫うというよりホチキスを5針くらい打たれていた。3センチくらい。CT撮って異常なし。気の毒。
でも、もう頭を洗っても全然構いませんとのこと。少し静かにしてたらあとは普通でいいらしい。
会計を待つ間に、水分補給と、今後片手で移動しないように父を脅しながら(笑)話をつけ、運びたい着替えは前日に妹に運んでおいてもらう解決策を提案。母に心配ないと連絡。

病院の会計を済ませ、このあとどうする?と父に聞いたら、デイサービスに戻ってもよい、もしご飯が残ってるなら、という。(笑)
車イス借りてきたし、カバンもおいてきたし、家に帰ってもすることがなさそうだから戻すことにした。

そのままのことを連絡すると、先方は「病院まで迎えには行けないけれど、まだランチありますよ!」とのこと。

この時点で12時。いそぎ介護タクシー会社に連絡したら、空車あり!ラッキー!4月初めはなぜか空いてるとドライバーさん。

駐車場で待つ間に、朝顔も知らない父に向かって、目の前の桜並木を見せて「ほら、桜満開だね」と促してプチお花見。私も一緒に介護タクシーでデイサービスまで戻った。介護タクシーは車イスのまま乗れるし、父の介護保険が使える。

デイサービスにつくと父は車いすのままするすると中に吸い込まれて行った。玄関先で所長さんに挨拶した。しかし何せ聖域なので、立ち入りはしなかった。

やれやれ。ミッションコンプリート。

あれ?と思ったら、私はポツンととりのこされている。テクテク歩いて家まで帰った。
わりと近くで良かった。桜が咲いてた。

母に連絡しても電話に出ない。なんと玄関前で待ち構えていた。お昼を食べて、夕飯つくって帰ってきた。

父は気の毒だが、ダメだということをやるから自業自得と思う冷血なわたし。
娘がいるときでラッキーだよね、なんて思ってる。ほんとに、たまたま行った日に活躍?できてよかった。

ついでに母の愚痴を聞いたが、ちょっと前向きなことを言って逆ギレされてしまったものだから、閉口した。
「あんたもこの年になったらわかるわよっ!」と恨みがましく言われたから、こっちも逆ギレ?して
「ママは私が八十過ぎたときのことわかるの?こうして来てくれる娘なんかいないし一緒に住んでくれる娘もいないのよ?」
と言った。冷血ドーター。

妹に感謝されたが、よくよく考えると頭から血を出したり、ホチキスを3センチも打たれた父を、デイサービスに放り込む冷血娘である。
デイサービスにいかない日だったら放置してたからセーフ!

で、今日の桜の写真がこれ。

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注1  デイサービスは介護認定を受けたご高齢が昼間に通所可能な施設で、活動も運動中心から趣味中心から、何もしないところまで様々な種類がある。掛け持ちもできる。日中を過ごす場所。父はケアマネさんのいる事務所の隣にあるデイサービス一択で、毎日朝から夕方まで過ごしていた。リハビリとか麻雀とか、カラオケとかもある。希望者はお風呂も入れてくれる。しかし父は頑なに拒否😓

体が元気な母のデイサービスはそれとは違い筋力トレーニングと口腔ケアが専門で、半日だけ。口腔歯科が経営母体の小さなデイサービス。グループでのトレーニング以外に自由にマシントレーニングもできる。

注2 お出かけ前の準備を手伝ったり見守ったりするサービス。しかしヘルパーさんが来るより前に、早朝起きて自分で準備を整えてしまう父!ヘルパーなんかいらぬ!と。。。(^^;;))

2022.9月 追記

この日のことはすっかり記憶から抜けていて、この日記を読んで、はー、そうだったっけー!と思い出した。忘れてしまうものだなぁ。

そして、これだけ人の助けを拒否っていた父も、その後、入院したり、リハビリ専門の施設に入ったりする中で身の回りのお世話を他者に委ねることに慣れて今は特別養護老人ホームで穏やかに暮らしている。

母の方はデイサービスでも人間関係に喜んだり悩んだり人に影響を受けるあった。行きたくないと前日に妹に泣きついたり。でも決まっていることだから、頑張って行く。そして帰ってくると身も心もスッキリしている。側から見ると運動大事だなぁと感じた。

それでも、やはり大切なのは自分しかハンドルを握ることができない心の方向性で、老いていくなかでは、そこがハードルになることって多いのかもしれない。なんでもいいから、心から、日々の喜びや、ちょっと先の楽しみを自分で見つけられたらよかったなぁと思う。




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