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愛を終わらせない方法

最近公開されたばかりの映画、『四月になれば彼女は』という映画を一人でみに行ってきました。凄くすきな恋愛小説なので、みに行くか迷いましたが映像としてみたかった、やはり青と光の表現が素敵でした。そして藤井風さんの満ちてゆくを映画館で聞きたかった為、行ってきました。藤井風さんのつくる音楽は本当に風のような音楽ですね。今回は映画の中に出てきた言葉について触れる為、映画をみる予定のある方は読まないことをおすすめします。


「愛を終わらせない方法、それはなんでしょう?」

この、印象的なセリフがよく出てきました。これについて、ネット上にはたくさんのひと達が自分の恋愛観について語っていました。SNSなんか自分の思ったことを思う存分に綴れるからいいのである。表現なんて、思ったことをそのまま吐き出せばいい、色にしたり、ものにしたり。そうやって、何気なく言った言葉が誰かの一生ものになるかもしれないからだ。表現なんてそんなものだ。そうやって大切にすればいい。
大体のひとが愛を終わらせない方法は手に入れないことだ、と。確かに、欲しかったものは手に入れた途端に興味がなくなる。だから手に入れないことでずっと愛することができるかもしれない。だからと言って手に入れないなんて選択肢はきっと出てこないわけで。だから手に入れて、その後どうするかっていうことを考えたらいいだけで。でもそれが難しいひと達が沢山いるから、「愛されるには」とか「沼らせる方法」とか「冷められる前に」とか、こういう記事にびっくりするほどいいねがついている。ここに否定をしたいわけではなく、手にすれば離したくないと思うのはきっとみんなそうであって。ただ当たり前に泣きたいときにただ寄り添ってくれる、どうでもいい言葉を交わす相手、一緒においしいものを食べて感想を言い合う、自分が感じたときに言葉でしっかりと伝える、二人でたくさん話し合うこと。それができているひと達はどれくらいいるのだろうか。どれだけのひと達がサボっていないのだろうか。当たり前の幸せに気付けなくなったとき、そしてそれが続かないと知った時、縋り付く。だからこそ愛する人との関係を継続するには愛する努力を怠らないこと、いや、もしかしたら特別なものが特別でなくなったときこそが幸せなのかもしれない。

「人間ってのは憎んでいるひとより側にいて愛してくれるひとを容赦なく傷つける。」

もう一つ、この言葉にもわたしはハッとさせられました。この世の中、相手を想っていたら言わないでしょう。なんてことは生きているとたくさんあって、なにも考えずに言えてしまうその価値観が羨ましくなったりもする。その度に悲しくなって、この人もかあ、って失望しては期待してを繰り返してそんな自分も気付かないうちに誰かを傷つけてしまっているかもしれない。きっと世の中のカップルの破局要因を辿れば、これに尽きるのだろうなと。

この恋愛小説は誰にでも伝わりやすい、分かりやすく綺麗な言葉で綴っているところに尊敬しました。

映画の中で一眼レフのカメラを持って写真を撮るシーンがたくさん出てくるんですが、「カメラ」も良いなあと思いました。旅をして、写真を撮って、思い出として残す。わたしも世界中の朝日みに行きたいな。ううんみに行けばいいんだ。

また大切なひとと見たいな。と思わせてくれるような、そんななんてことない日常にこそ幸せは溢れていて、それなりに満たされた日々は愛おしいものですね。


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