邪魔な距離と、奪われない時間
テーブルの向こう側にいるあなたが、ただそこにいるだけで、私の平和が形になっていく。向かい合っているのに、あなたとの距離がもどかしくて、テーブルさえも邪魔に思う。私から何も奪わない人がこんなにも静かに、でも堂々と私のそばにいてくれるなんて、そんなことがあるだろうか。
私の言葉や心を奪うことなく、ただただそこにいて、私を包み込むように見守ってくれている。
その木製の表面に手を置けば、あたたかさが伝わる気がして、でもその手を握るには、ほんの少し勇気が足りない。けれど、あなたの目の中に映る私が、今、どんな顔をしているのかなんて、考えなくても想像がつく。
それだけで世界が平和なように思える。私の平和は、あなたがここにいることで、そっと息をしているような気がする。
私から何も奪わないあなたがいるからこそ、この静けさが愛おしくて、心地よくて、もう少しだけ、
この平和の中にいたくなる。
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