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岸政彦先生と20分休み

◉社会学生活史

Xで話題沸騰のワンちゃん、ちくわちゃんのパパです!地面師飲み会構文がバズった方です!
社会学者さんです!
狂ったように読書をしていた時期、『断片的なものの社会学』の読了ツイートにいいねをいただいたと思う。『東京の生活史』のことを「鈍器本」とツイートしてリツイートされた。(バレてる)

まず私も大学で社会学を専攻しゼミは生活史だったのだけれども、あのー、そこらへんの普通の私立大学でしたのでね、特筆すべきことは何にも無いのですが…卒論はちゃんと書きました!
とにかく社会学と生活史が好きです。
なのでタイトルに入ってたらとりあえずその本を読んでみる感じでしたが、『断片的なものの社会学』は本当に面白かったな…


「ある歴史的なできごとを体験した当事者個人の生活史の語りをひとりずつ聞き取るスタイルで調査をしている」(p3)

「ある人がいいと思っていることが、また別のある人々にとっては暴力として働いてしまうのはなぜかというと、それが語られるとき、徹底的に個人的な「<私は>これがいいと思う」と言う語り方ではなく、「それは良いものだ。なぜなら、それは<一般的に>良いとされているからだ」と言う語り方になっているからだ」(p111)

「いつも私の頭の片隅にあるのは、私たちの無意味な人生が、自分にはまったく知りえないどこか遠い、高いところで、誰かにとって意味があるのかもしれない、と言うことだ」(p200)

岸政彦「断片的なものの社会学」

著者の岸政彦さんは沖縄で調査をされている社会学者の方。ほぼ全ての文章が響き、読み終わった本は付箋だらけだった。
もちろん社会学のエッセンスはあるのだけど、著者も書いているように、もっと生活に近い、学問としては分析しづらい断片的なものについて言及しているので、読みやすい。
(2021/10 自分の読書記録より)


今はパニ障で遅読すぎて岸先生の他の著書を拝読できないけれど、読めるようになることが一つの目標。まず「図書室」読みたい。

◉Spotify

そんな時に岸先生がSpotifyで番組を持たれることに。
毎週火曜日配信の、

      「岸政彦の20分休み」

20分間くらいの番組のはずが、どんどん話題が連なって転換していく。だいたいご自身の体験を挟みがち。そして長い。もう今日こそはハガキをたくさん読む!と宣言されてるのに、すぐちくわちゃんの話などになる。そこが面白い。
20分という時間も絶妙で夜寝る前や家事の合間にサクッと聞ける。
知らない人の話に聞き耳をたてるように色んな方々のエピソードが伺えるので楽しい。
あと私は声フェチなので岸先生の声は耳心地がよいのでずっと聴いてられます。

私はラジオ歴は長いけれどハガキ職人さんみたいに面白メールは書けないのでメールを送ることなんてほぼしてこなかった。
「なんか心に残っている話」というテーマだったので日常の一コマをメールしてみた。
多分#2が配信されたくらいで送ったのですが、採用されたのは#17でした。そして#30が配信された頃、どんくまステッカーが届く。(届いた封筒もしばらくおいておくタイプです)
この手作り感ゆるさがたまらん。


#17 犬で言うと5歳やねんの18分くらいから読んでくださり、スタッフさんは「ケータイとカセット」というタイトルまでつけてくださった。

🐏はYOASOBIが大好きなのだけど、私が昔テレビの歌番組で好きな歌を、デッキをテレビに近づけて音を拾っていたように🐏も子どもケータイの録音機能で楽曲を録っていた。時代は違えども教えてもないのに同じようなことをするものだなというようなメールだった。

もちろん今はYouTubeで検索すれば音楽は簡単に聴けるのだけど、自分の操作できる、1番早く聴ける子どもケータイに好きなものを入れておきたい思いだったようだ。

この投稿を受けて岸先生が話してくださったのが、

「メディアの物質性」

そこから、アナログ的なものはいくらデジタル化が進んでもなくならない=レコードCD紙の本などその物質を手に取ること、好きなものをそばに置く事それ自体が幸福を感じること、何か満たされることだからなくなることはない文化なのかもしれないと考えることができた。

自分のなんて事ない日常の一場面が社会学と繋がった瞬間でやっぱり社会学という学問が好きだなと思った。


あのね、自分の文章が岸先生の声でラジオの電波にのるってことは夢みたいなものなんですよ。

私は今自転車で行ける範囲で生活していて、話す人もほぼ固定されてるし、どうしたって世界は狭いわけです。
その中で自分が投げた言葉を拾ってもらえて反応が返ってくるって奇跡みたいなもんです。
(少し大袈裟です)
直接対面してはいないけれど外界と繋がってると思える。この年になると同じ価値観を持つ人に出会えることが希少であることに気付きます。
毎週そんな時間がやってくることが支えとなっています。ありがとうございます。

岸先生、テレ朝の関係者の皆さま、何卒末永く続きますよう、よろしくお願いします。

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