今期のドラマと家族の価値観
今期のドラマは月9の『海のはじまり』や火10の『西園寺さんは家事をしない』、シングルファザーや偽家族、血の繋がりのないコミュニティなど家族でなくても助け合えるというテーマのものが多かった気がする。ネタバレありです。
◉『海のはじまり』と『西園寺さんは家事をしない』シングルファザーの違い
生物学的に仕方がないのだけど、母親は妊娠中に少しずつ親になっていく(これは幸せなことだけじゃなくて妊娠中のトラブル体調不良も込みで)。
父親はどうしたって産まれてからの対面となりそこからのスタートになる。
『海のはじまり』の夏はすでに子どもが大きくなっていたところからのスタートでむしろまだスタートの前段階が描かれている。関係性を構築していく段階だからこそ難しい。
個人的にはみんななんでそんなに傷付かなきゃならないんだよぉぉぉと心が痛くなるシーンが多い。多分現実でも壁にぶつかるであろうことを描いているからだろう。
『西園寺さんは家事をしない』の楠見くんは妊娠中出産ルカ3歳までの時間がある。妻の死後も伝授されたスマホのルカノートを見て、また更新して、そうやって一年間一人で育ててきたのだろう。コメディ要素もあり、こうであればいいのにという理想の部分もあるけれど心に残る言葉たちや考え方も多くある。
同じシングルファザーでも視点が違う。
ただどちらも真剣に子どもと向き合っているし、子どもはそれまでに築き上げた母親との思い出も持っている。
記憶って厄介だよな。
幸せな記憶も悲しい記憶になることがある。
記憶があるから今に照準を合わせられない。
どう扱えばいいんだ。
◉恋せぬ二人
大好きなドラマです。
今期の朝ドラ『虎に翼』の脚本の吉田絵里香さんが脚本されています。
こちらは「家族(仮)」という表現で二人の関係性が示される。まさに価値観が揺さぶられるドラマでした。この二人は共に生きるけれど一緒にいなくてもいい未来を選びます。ちなみに今NHK +で見逃し配信中(地上波再放送されてます)。
さて今期のドラマ最終回、どのように締められるのでしょう…(西園寺さん終わらないでーーーー)
その昔、家族は大事だとか恋愛最高とか友情万歳とか一定の価値観のもと文化が作られてきたように思うが、その頃から比べると血が繋がってなくても家族でなくても共に生きることはできる、支え合うことはできるという価値観が浸透してきているのかもしれない。
私は🐕にも🐏にも依存先を増やせと話している。親ではない大人(例えば習い事の先生、SCさん、近所の方、私の友だちなど)と関わりを持つことは家族という枠組みから少し違う世界へと繋がる。
途中で途切れてしまってもいいし、多くなくていい。
いざという時の選択肢はあった方がいい。
社会問題やデリケートな話をドラマでテーマとして扱うのはとても難しいことだと思っていて、一部の人はドラマで描かれたことが真実だと、正しい事だと決めつけてしまうこともあるかもしれない。
現実はそれだけではないことは忘れないでほしい。様々な事情が重なり合ってるし、ドラマはそれらの多角的な視点から作ることは難しい。
あくまでそのテーマの入口であり、全てではないことは心に刻みたい。
そんなことを感じた夏の終わりでした。
読んでいただきありがとうございます❄️