ギターにはロマンがあるんだ!
世の中にはとてもたくさんの楽器がある。なんらかの楽器をやる人は、自分のやっている楽器に思い入れがあるだろうし、ひそかに憧れている楽器があったりもするかもしれない。
わたしはいろいろな楽器をやってきたのだけれど、中でもギターという楽器に、なにか特殊な魅力を感じる。わたしにとってギターはメインの楽器ではなく、どちらかというと憧れの楽器だ。弾けたら楽しいだろうなあと横目で憧れながら、弾き語りの伴奏でかき鳴らす程度にしか弾けない。ブルースギターみたいなのを弾けるようになりたいなあと、憧れる。
わたしに、ギターの魅力を突き付けたのは大昔にフジテレビで深夜にやっていた「アメリカン・ギターズ」というテレビ番組だった。たしか私は中学生だった。この番組は毎週30分、アメリカのギターファクトリーを訪問してクラフトマンに話を聞き、そのブランドを紹介する、というようなものだった。ギタリストではなく、ギター工房を取材するという番組なのだ。なんというマニア度。
調べてみるとこの番組が放送されていたのは1992年だそうだ。当時、深夜というのは「誰も見ていない」時間帯で、このような今考えるとよくもまあこんなにマニアックな番組が放送されたものだ、と思うようなものが放送されていたのだ。(1997年に、95年に放送されたエヴァンゲリオンを三日間で全部放送する、という深夜再放送がものすごい視聴率を記録し、以降深夜のテレビの主軸はアニメになっていく)
忘れもしない、この「アメリカン・ギターズ」の第一回はリッケンバッカーだった。なんと、Youtube にあった。
こんな番組が地上波のテレビで放送されていたことに驚くけれど、当時は地上波で放送する以外はビデオで販売するしかないという時代だった。
他のも、Youtube で見つけたものを貼っておく。
ナショナル
マーティン
ギルド
オベーション
スタインバーガー
ギブソン(エレクトリック)
ギブソン(アコースティック)
フェンダー
G&L
たぶん権利的に問題があろうけれど、今この映像はYoutube以外では見られない。たしか放送の翌年にリットーミュージックからビデオが販売された気がするのだけれど、もしこれ映像残っているならリマスタリングしなくても良い(当時の画質でも良い)からDVDで再販してもらえないだろうか。
わたしはこの番組を夢中で見たのだ。一回目のリッケンバッカーで感動して、全部録画して見た。録画していたんだから保存しておけば良かったものを、当時はこの貴重さに気づかなかったのだろう。
見ていただくとわかるように、毎回、そのブランドのギターを番組の最初と最後でソロ演奏して聴かせる。これを聴いて、ギターっていうのはなんてかっこいい楽器なんだろう、と思ったものだ。弾き方によって多彩な顔を見せる。ギターにはロマンがあるのだ。ロマンなんていう言葉は曖昧で、いったいそれがどういうものを指しているのかはよくわからない。でもこの番組を見て感じるギターにまつわるなにか。それは他の楽器からはあまり感じないなにか。それこそが「ロマン」だと思うようななにかが、確かに存在しているような気がする。
そのなにかよくわからないロマンのようなものは、ギターでも特にブルースギターから感じる。
日本でかっこいいブルースギターと言えば断トツで山崎まさよしだと思う。
これはクリームのクロスロードのカバー。クリームというのはエリック・クラプトン、ジャック・ブルース、ジンジャー・ベイカーというとんでもない3人によるスーパーバンド。その代表曲ともいえる「クロスロード」をアコギ一本+ブルースハープで演奏しているのだけれど、ものすごいことになっている。
せっかくだから山崎まさよしのオリジナルも紹介しておくか。
なにこのギター。ぶっとぶんですけど。むちゃくそかっこいいわけですね。ギターのロマンが大爆発。
…。ロマンっていうのは爆発しちゃいけないような気もするけれど、ロマンにパッションを一振りしたら爆発するんでしょうな。この、なんならドラムもベースもいなくてもいいよ、というギターの可能性。ちなみにこの動画終わりまで見るとMCもとても面白いです。
この、山崎まさよしのギターから感じる何かと似たようなものを他の楽器で感じることがあるだろうか、と考えてみたら、矢野顕子さんのピアノからも感じるな…ということに気づいたのだけれどそれはまたの機会にどっぷりとお話したいと思います、ハイ。