音楽配信サービスに登録したらCDの購買欲が刺激された話
便利ですね、Spotify。
コンテンツの配信サービスは乱立していて、正直どれが良いのやらよくわかりません。映像の方では、わたしはとにかく映画をたくさん見たいので、U-NEXTに登録しました。次は音楽、ということで音楽配信サービスを調べ始めたのですが、音楽配信の方はどうやらSpotify が良さそう。しかも3か月無料? ということで早速登録しました。
CDが絶版になっているような作品もたくさん配信されていて、懐かしいなあなんて言いつつ聴きまくりです。スマホアプリもあって、アプリをインストールすると端末にダウンロードしてオフラインで聴く、とかいうことまでできます。なんて便利なんだ。これまでCDを購入してiTunes で取り込んでスマホに移動させて…とやっていたことがずっと気軽にできる。
こんなことになっていたらそれはもう、CDは売れないわけだよね、と思いました。
ところが。ところがですよ皆さん。
Spotify に加入してからCDの購入額が増えたのです。
Twitterにこんなことを書きました。
昔好きだったアーティストをSpotify で検索する→その人の最近の作品を発見する→こんなの出てたんだ、とググる→公式サイトを見ると「初回限定版」とか言ってDVD付きのものが出ている→「購入する」というボタンがある→押す。
あれ?
Spotify を使っていなかったら出会わなかった作品に、どうやら出会うのですね。そして、音だけではないなにかが付属していたりすると、それは欲しくなっちゃったりする。
もうこれは音楽レーベルの方々に提案なんですが、音楽はどんどん配信サービスで配信し、ディスクは初回限定版とか言わずに映像コンテンツのついてるやつを販売したらいいんじゃないでしょうか。配信サービスによって食われるのはいわゆる通常版で、配信で音が聞けてもディスクが欲しい、というタイプの人は少々高くても映像が付いていればそっちを買うような気がします。単価を上げてDVD付きのやつを、限定ではなく常時販売したら良いのではないでしょうか。おそらく、配信で聴いてググる、というところから私のように「→」が繋がって「購入する」を押しちゃう人、けっこういるような気がします。
さて、そんな風にして買ったやつを少し紹介します。
ちょっと前に書きましたが、わたしは90年代の始めごろに宝塚月組のトップスターだった涼風真世さんが好きで、Spotify でも検索してみたのです。そしたら2019年に35周年記念盤というのが出ているではないか。
そしてこれに、驚くべき映像特典が付いていました。CDの発売記念コンサートを収録したDVDなわけですが、楽曲リストを見ると「共演:麻乃佳世」と書いてある。マージ―でー!?
これ9900円という値段でしたが、迷わずポチりました。麻乃佳世さんと23年ぶりに一緒に歌ったと、MCで話していました。なんということだ。こんなのついてたらそれはもう、買いますよ。しかしこのコンサート、観客が静かすぎてちょっと気の毒ですね。麻乃佳世さんサプライズで登場するのに客席沸かないんですね。涼風さんのMCに対しても客席の反応が薄すぎます。かなり面白いことを話しているのにあまり笑いも起こらない。待望のコンサートのはずなのに…。
でこれ、買ってみたら、CDの方は記念盤じゃない「Fairy」という作品そのままではなく、そこには収録されていない楽曲を収録した特別なものなんですね。そのためSpotify で配信されている通常の「Fairy」という作品とはまったく内容が異なる。これで「配信とは違うものが手に入った、わーい」というだけなら良いんですが、「配信されてるのと同じ内容の通常版もほしい」という謎の物欲が盛り上がってくるわけですね。
あのですね、音楽レーベルの皆様、配信サービスで音楽を配信するとわたしみたいな沼の住人がずるずると金を落とすのでお勧めでありますよ。
それでですね、その記念盤だけ買えば良さそうなものを、ググって出てくるのは作品のページじゃなくてアーティストの公式ページなわけですね。するとそこには他の作品もいろいろ載っている。
これ。
これは1996年に出たアルバム、たしか宝塚退団後の最初のアルバムですが、それの復刻版。しかもただの復刻じゃなくて、当時出ていたアルバム未収録シングルを全部まとめて追加したという豪華版です。さらに、当時VHSビデオで発売されていたコンサートの映像もDVDで付いている。
なにこれ。洗いざらい全部入れた復刻版じゃないですか。Spotify を聴いてググる→いろいろなパッション→購入ボタンを押す。
ここに、当時も欲しかったけれど手に入らなかった「二幕目へのアプローズ」が入っていた。もうこの一曲のためでも買います。他にも8cmシングルで持っている曲も入っていて満足度がとても高い。
届いたCDを聴きながら、CD棚のどこかに1996年版があるはず、と探しました。
そしたらこれ見つけました。ケースにヒビ入っちゃってますが、発売当初に買って持っていたものです。24年も前…。
そしてこれと一緒にすごくディープなものも発見しました。
これ、1992年の、宝塚の主題歌集。ここに、前に書いた「PUCK」の主題歌も入っています。見えにくいですがこのジャケの左の下が「PUCK」のポスターです。本当は麻乃佳世さんとのデュエットの「セカンドサイト」っていう曲が欲しいんですが、これはCDに収録されていないんですよね。どこかで音源になっているのだろうか…。
結論として、Spotify はかつての沼が刺激されてヤバいということがわかりました。Spotify みたいな配信サービスが充実するとCDが売れなくなるというのはある程度真実ですが、一部の沼の住人にはかえって単価の高いものが売れるようになる、ような気がします。わたしだけ?
※みんなのフォトギャラリーで「宝塚」で検索したら猫野サラさんの見覚えのある絵が出てきたので迷わず使わせてもらいました!