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「朝8時からの朝食」

この間、ある温泉旅館に泊まった。

そこで、いままでに泊まったことのある旅館とは少し違う
感覚を得た。

何かというと以下のふたつ。
 一つ目は、「朝食の開始時間が朝8時から」だった事。
 二つ目は、夕食に釜炊きの炊き込みご飯がでたが、
 お釜に残った分を「夜食用におにぎりとして提供」
 してくれた事。
両方とも、個人的にはありがたいもので、心遣いに感謝を
感じた。

しかし、これがお客側に対してのメリットであったと同時に旅館側にとってもメリットであることはあとで知ることになった。

旅館側から、朝食開始が「朝8時からになります。」と
聞いた時、今まで泊まったことのある旅館では、朝食開始
時間は、朝7時。場所によってはその前から可能な旅館が
個人的な感覚では多かったので、ちょっとだけ違和感が
あった。

「朝7時開始」と言われると、急がなくてもいいのに、
朝早く起きて、温泉に入り、朝食時間を迎えたくなり、
なぜか、朝6時には、いや、その前に目を覚まさなくては
いけないと思って行動してしまう。
折角、温泉旅館に来てものんびりというよりもちょっと
バタバタした感じで過ごすことがある。

でも、朝8時からと言われてしまうことで、慌てて起きる
こともなく、起きてから、温泉でひとのんびりしてから
朝食を迎えることができ大変ありがたい状況。
敢えて、温泉旅館を選んで、癒しを求めてきているので、
この「のんびりできる」のは大変ありがたい心遣いだと
思った。

しかし、この「朝8時」が、お客側だけでなく、旅館側にもメリットがあるものであることをある記事を見て知った。

それは、この温泉旅館、代表取締役である 女将が主導で、
1週間のうち火・水・木曜日の3日間を休館日にしている
そうだ。

これにより、働く従業員は、週40時間働く時間を、
それまでの8時間×5日勤務から10時間×4日勤務に移行し、同じ勤務時間で、週休3日を実現しているそうだ。

温泉旅館をあえて選択してきているお客側。
当然ながら癒しを求め、温泉につかり、のんびりと
過ごしたいと思っている。
「朝8時設定」は、お客としても朝食前にゆっくり、
温泉を堪能できるというメリットがある。

そして旅館側にとっては、週休3日を実現する上で、
稼働時間がさがることによる売り上げ減少に対して、
コストをさげることにより、利益を損なわないように
しているようだ。

同じ週40時間稼働を、今までの3交代制(1日8時間)から
2交代制(1日10時間)に変更することでコストを抑えることを実現しているようだ。

朝食を「朝8時設定」にすることで、食事に関わる従業員も
2交代で賄うことができるようになっていると思われる。

週休3日にすることで従業員の満足度は向上し、
この取り組みで旅館側も利益も損なわず、しかも、
お客様へのサービスの質もさげず、むしろ、満足度を
あげる方法が取られているようです。

二つ目の「夜食用におにぎりとして提供」は、朝食開始が
「8時」に対する気配りからなのでは思った次第です。

朝食開始が「朝8時」で比較対象されるとデメリットのような感覚になるが、状況によっては多くの付加価値をあげることになるものと改めて感じた。

こんな些細なことではあるが、また、訪れてみたいと感じた。

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