爪噛み歴ウン十年の猛者が、爪噛みをやめられた話
子供のころからひどい爪噛みぐせと、噛まないときでも、爪同士でひっかきあって爪を裂いちゃう(割っちゃう?)くせがあって、アラフォーになってもずっと治らなかったんですが、ここ数か月一気に改善したので、その理由を書いていきたい。
これまでの試み(ダメだったやつ)
まず、いままでも何度かやってきたけどダメだった方法から。
・マニキュアをする、ネイルアート的なことをする
爪が気になって余計にいじってしまい、歯ではがしてしまう。その流れでまた噛む。
・ネイルチップをつける
ネイルチップをつけるシールがはみ出てたり、汚れがついているのが気になって、ついているチップを動かしてすぐにはがしてしまう。水に弱いから毎日取り換えるのがダルくて続かない。そしてネイルチップも噛む。
これらを、爪をなんとか普通にしたい!って思うたびに実践しては、毎回ほぼ効果がなくて諦めて放置、を繰り返してました。
大人になっても、爪がギザギザで深爪で、明らかに爪噛みしてるってバレバレなのって恥ずかしいし、何より指先が痛い!!爪は短いし、そもそも手荒れしやすくてささくれ・小爪がしょっちゅうできてて、それも気になって剥いちゃうしで、指先ボロボロでした。
そんな私が、突然一気に爪噛み・爪割りを卒業できました。
爪噛み・爪割りは、「病気」「精神病」と知る
爪噛み、やめたいなと思った時、いつもはなんとなく自己流で対処しようとしてたんですけど、今回は、そう思った時にyoutubeをみてたから、「爪噛み止める」とかで検索してみたんですね。
なんか綺麗系のおねえさんがやってる動画とかで、保湿がいいとか、ジェルネイルがいいとか、このケア用品がいいぞ、とか言っていて、なるほどね~っと見ていたのですが、そういうキレイな動画とは異質の、精神科医の方が語っている動画も出てきたんですね。
で、爪噛みに、「病名」がついていることがわかったんです。オニコファギア、っていう病名みたいです。
精神科医の方が語っているし、詳しいことはわかんないけど…爪噛みって、病気なんだ、精神病なんだ!!??ってまずショックを受けたんです。
爪噛みは、自傷行為
「悪い癖」「みっともない癖」としか思っていなかったそれが、ちゃんと病名がついている病気だということにビビりました。
そして、直し方よりも先に、爪噛みをしてしまう理由…不安や緊張からくるものであり、そのうちになんとなく習慣化してしまう…と。
それを見て、自分の爪噛みについて、「やめないとな~」「恥ずかしいな」じゃなくて、「ストレスを紛らわそうとしている自傷行為」であるとはっきり意識しました。
自分では認識してないレベルのストレスを感じたときに爪を噛んでいると知る
今まで、爪を噛んでしまう・割ってしまうシチュエーションを思い返してみると、
爪噛み(家など・プライベート空間)
・テレビや動画をぼーっと見ているとき
・本を読んでいるとき
・絵を描いているとき
・家族と一緒に過ごしているとき
爪割り(外・仕事場など)
・我慢して人の話を聞いているとき
・電話対応中
・何かを待っているとき
…無意識にやっていたと思っていましたが、思い返してみると、
「惰性でやってるけど実は退屈なとき」「行き詰ったとき」「つまらなくて立ち去りたいけど、それができないとき」などに、気分を紛らわす時にやっていて、
「ブチ切れるほど怒ってるとかではないけど、自分では意識しないレベルでイラっとしかけているときなどにやっている行為」であることがわかったんです。
つまり、爪噛み・爪割りは「もう嫌だ、他のことをしたい。このまま続けていたくない」の始まりのサインだった。それを肉体に刺激を与えることで紛らわせていたんだ。
それに気づいたとき、「私、嫌なことを我慢するときに、自分を傷つけることで耐えてたのか」と。
…いや、「嫌なことを我慢する代わりに、何かご褒美をあげる」じゃなくて、「嫌なことを我慢したうえに自分が痛い思いしてる」って…私、かわいそうすぎじゃない!?可哀そうすぎる!そんなのってないよ!!!うわ~~~~!!(涙)
これを理解して、爪を噛みそうになったり、爪をいじりそうになったら、「今、わたし、やってることを嫌だ、飽きた、って思ってるんだな?」って意識するようになりました。
自分が好きでやってると思ってた、読書・映画や動画を見る・絵を描く・小説を書く、などの趣味も、爪を噛もうとしているのに気づいたら、「あ、私飽きてきてるんだ!もうやめよ!!」って、すぐに別のことをするようにしました。
仕事や他人との会話など、自分の意思で勝手に切り上げられないものに対しても、爪を指でいじりはじめたことに気づいたら、「あ、いやだと思ってるんだな」って、自分の気持ちを意識して、今私、耐えてるんだな~って気づくだけでも、爪を割ることは減りました。
そして、「ストレスに耐えるために自傷している」自分を「可哀そうすぎる!」と労わる気持ちを持ち、「傷つける」のではなく「ケアする」という方向にきりかえることにしました。
どうしても、自分の体を触ってストレスを軽減しようとするのはやめられないだろうし、ストレスを受ける環境から逃げられないこともある。だから、
家にいるときは、爪をいじろうとし始めたら、すかさず「ネイルオイル」を指に塗り、指先をマッサージする。
ネイルオイルを塗れるような状況じゃないときは、「爪を割る」んじゃなくて、「爪の生え際などを揉んで、マッサージする・血行を良くする」。
ストレスを感じて紛らわそうとしている自分を、同じく指先をいじる行為でも、傷つけるんじゃなくて、労わってあげる、というふうに切り替えました。
そして、爪噛み・爪割りの癖を、「みっともないもの」「恥ずかしいもの」じゃなくて、「自分の気持ちに気づかせてくれる大切なサイン」「ストレスに耐えるために、無知だった自分が編み出した苦肉の策だった」と受け入れる。
「爪噛み・爪割りをやめよう」って思うんじゃなくて、「爪噛み・爪割りをさせてくるストレスがあるということを認め、自分を労わってあげよう」と認識を改め、ストレス行動を回避したり、指先を労わったりした結果…爪噛み爪割りをやめることに成功しました。(まだ数か月なので、完璧にやめられたかどうかは不明ですが)
もし、これを見ている方で、自分も爪噛み・爪割りしちゃうんだよね~って方がいらっしゃったら、自分の指先を見て、「汚い」とか「みっともない」とか思わずに、「ストレスに頑張って耐えてきて、ぼろぼろになっちゃんたんだなあ」「可哀そうだなあ」って、認めてやってください。
なんとなくぼ~っとしてて爪噛んじゃう、ストレスとかじゃないと思うよ~、って人も、その「ぼ~っとすること」自体がストレスになっている可能性あります。退屈とか、自分に対する秘めた不満とかがあったりするかもしれません。あと、お子さんとか、家族が爪かんじゃうって人も、叱ったり
笑ったり強引にやめさせるんじゃなくて、まずはその行為に至る原因があるってことを認識してあげてください。
爪ケアは、効果より「ストレスにならないこと」重視
爪ケアは、そのへんに売っているネイルオイルを、自分がよくいる場所(パソコンまわり、ベッドの横、会社のデスク、カバンなど)目につくところに何個か置き、爪いじろうとしてる!って気づいたらすぐ塗る、という方法。できるだけサラサラしたやつがいい。爪ケアの効果うんぬんより、塗ったときベタベタして不愉快だと、それがまたストレスになるという悪循環を生むので、効果より、着け心地とか好きな臭いとかで、「自分を労わってる」感が出るものにしています。お高いやつだと、お財布に響いてそれもストレスだから、安いやつを何個も用意して使ってます。
爪噛みをやめられた以外に、意外な(?)効果としては、手荒れが全然なくなりました。油しょっちゅう塗っているので、冬はささくれと小爪ができて痛かった指先、今はほとんど傷がないキレイ~な状態です。
爪を伸ばした不便な点としては、いままでウン十年爪が短い生活を続けていたので、慣れていなくて、かゆいところを掻くときの力加減を間違って血が出たりしてしまうこと…爪って意外と鋭利なんだね、ひっかき傷が増えてます…。頭洗う時もうっかり爪たててしまって痛かったり。そのうち慣れるでしょう…。
ネイルやってる人ほど、伸ばしているわけじゃないんですけど、なにせもともと爪の長さが指よりマイナスだった人だから、ちょっとでも指より長い状態、っていうのが慣れないんです…。
以上、爪噛み歴ウン十年の猛者が、爪噛みをやめられた話でした。