[ネタバレ] FINAL FANTASY XVI 感想
先日無事FF16をクリアしたので、その感想をネタバレありで書く。
小学生から高校生まで、FF5から12まで多感な時期をFFと共に過ごしたと思う。13・15はプレイしていない。いい歳になってFF14をプレイして久々にRPGの良さを実感した。
全体の感想
結論から言うと、久々のオフラインFFとして非常に面白くプレイすることができた。ただし、期待・予想していた物語ではなかったと思う。
こう書くとネガティブに聞こえるが、期待を越えた・越えていないと言うことではなく予想とは違う流れ・結末の物語という方がより近い。
当時に比べて自分も歳を重ねたこと、色々と経験をしてきた身としては、なるほどそう都合よくは進まないよなとこの物語でも見ることができた。
この辺りは吉P/高井Dをはじめとする開発者たちの言わんとするところがよく理解できたと思う。
その上で、人から「どうだった?やってみようと思うのだけど」と言う質問を受けた場合その評をするのにこんなに迷うFFは初めてだなと。
プレイヤーそれぞれで「ファイナルファンタジー」に求める像が違うと吉Pも言っていた。自分がFF16で書き留めておきたいこと、自分が「ファイナルファンタジー」にどういう期待をいつも寄せているのかを備忘録も兼ねて書いておく。
物語がきちんと閉じられた
好き嫌いはともかくとして、きちんと物語が始まって、世界を救って物語が閉じられていた。それは当たり前であって欲しいとは思うが。
エンディングからも想像できるように、FF16はヴァリスゼアの叙事詩であり、クライヴという英雄を通して描かれている。
表情・仕草で多くが伝わるようになった
自分にとってはPS2以来のFFであり、今まで全てセリフで表現していたものがそれ以外の要素で伝わるようになり素直にその進化に感動した。
体験版の範囲からいくつか。
タイラーがジョシュアから治療を受けるシーン
「ジョシュア様」しか言っていなくてもその表情と手を伸ばす仕草で、「いけません…」が聞こえてくるよう。それを汲み取ってジョシュアがその手を退ける一連の流れを見た時に、セリフと声優の演技だけでなく画面に集中できるなと実感した。
ウェイドがエルウィンに跪くシーン
このシーンまでウェイドが裏切る可能性がよぎっていたが、この跪いている時の肩甲骨の寄せられ方・肩より胸を下に入れようとしているのを見て、こいつは裏切らないなと確信した。
この他にも、ディオンの頷き方が特徴的でよく似合っていたりあげればキリがないが、プレイ中は集中できていてパッと出てこない(良いこと)。
FFのセルフオマージュ
これは9割肯定的・1割否定的な立場。あくまで想像ではあるが、ファンサービスとしてのオマージュという点だけでなく、FFのお約束の幅を広げる目的もあるのかなと思っている。
シドが毎作品出てくるように、鍛治師といえばブラックソーン・FFの竜騎士といえばカインのポーズ…etc。クリスタルと魔法という要素だけでなく、ナンバリングごとに同じだけど変わっていくものというFFを開発チームが再定義していきたかったのかな、と。
ただし、ぽっと出でとりあえず入れましたというのは多くの反感を買うので慎重にやってほしい。
キャラクター
ジルがナンバリングで一番のヒロインだと思う。強く・前へと進む女性はとても魅力的。キャピキャピしていないのが好き。同時に自分も歳を取ったのだと実感した。
バイロン・ガブはこの物語の癒しだった。鬱屈とした世界であのメンタルと振る舞いは強者であり癒し。
あぁ、ガブがこの物語の一番のヒロインだった。
いくつか気になった点
バルナバスが思ったよりあっさり逝った
ハルポクラテスの備忘録で情報があったり、戦闘中に少し人間らしい熱さを取り戻したりしたが、バハムートに比べてちょっとあっさりしてるなとは思った。器を完成させることが目的と言ってしまえばそれまでだが。
シヴァの力を受け渡すシーン
各所で言われているが、個人的にも明確に裸でない方が良かった。いや、服を乾かしているのはわかる。(キャラ・私含め)いい大人なので別にそういう状況でもいいのだけど、非常に重要かつ良いシーンなのだから余計な要素に見えてしまう。
エルウィン譲りの正装を着て、正対してジルと向き合ってくれたら嬉しかった。ジルのサブクエと被る?いいんだよ。なんならたまたまそこに雪月花が咲いていて合わせ技にしてくれてもいいんだよ。
火の魔法を松明がわりに使った時、シドに器用だと褒められただろう。火と風の魔法でサクッと乾かしてくれ。
オリジン前いくつかのサブクエストについて
決戦前に一気にサブクエストがアンロックされるのは様式美だが、なぜジル・ジョシュアのサブクエストはメインクエストに入っていないのか。
多分こういうのが入れきれなかったところなんだろうなぁ。
ジル・ジョシュアのサブクエストはパーティにも永続的に入るというギミックがあるがこれがやっぱりファンとしては嬉しい。
リヴァイアサンどうした…?
文字通りリヴァイアサンどうした?伝説の一言だけ?何か情報見落としてる?取り込める能力さえあれば器として完成してるのか?いやでもバルナバスはわざわざオーディン渡したぞ?
と、これについてはNo idea.
一瞬でもいいから晴れやかになる瞬間が欲しかった
望郷でジルと初めてパーティを組んだあの一瞬しか希望のもと、青空の下を駆け回ることができなかったのが残念。
空の色が変わる前にもう少し青空の下、クライヴたちが安らげる瞬間があって欲しかった。
前廣さん…進めるほど気が晴れていくって言ってたじゃないか!
エンディングについて
あまりにあっさりしていてびっくりした。
解釈については各所で各々言われている。
クライヴは死んだのか、ジョシュアは?
色々散りばめたからどうぞお好きにということなのだという理解。
著者ジョシュア・ロズフィールドの「ファイナルファンタジー」
本人なのかはたまた他の誰かなのか。
仮に他の人が名前を使った、という仮定にするとクライヴ以外は使えないだろう。ハルポクラテスやヴィヴィアンなど隠れ家メンバーが書いたら著者名はきっと「シド」になる。
じゃあクライヴかジョシュアか…
ハルポクラテスが、ジョシュアにはその洞察力から本を書いてほしいというやりとりもあったし、レイズという魔法があることも直前に出てきた。
でもやっぱりサブクエでもらった羽ペンを使って、クライヴに書いていて欲しいかな。
そして実はあのCパートがヴァリスゼアの外で、ジルとの約束を果たしていることを願う。植生を見たらヴァリスゼアのどことも一致しないとか、野生のプロに期待しよう。
最後の最後、その瞬間だけご褒美があっても良いのよ。
ファイナルファンタジーなんだもの。
自分が予想していたFF16
もう少しハッピーエンド寄りになると思っていた。(本作のストーリーに対する批判ではない)
あともっと空の文明が絡んでくると思っていた。
魔法王国ジール・古代人のエルピス・空中都市ビュエルバ。
飛空艇が出てきて細々と残ったその場所に。安直ではあるが。
自分にとってFFに期待すること
世界(や国)を救ってほしい
その世界の後世で語られようが語られまいが、主人公は英雄であってほしい。その点クライヴは後世から見ればまごうことなき英雄だった。
世界が広がった、という瞬間が欲しい
映像がリアルになった分すごく難しいかもしれない。でもそのロケーションが開けた瞬間を大事に、次の一歩へのワクワク感にしたい。
飛空艇に飛んでほしい
「流石のエンタープライズも空を飛べないぞ?」
いや、ミドさんそこはどうにか….
バハムートで突入するというのはとても良かった!飛空艇で乗り込もうとして撃ち落とされてからバハムートでいいじゃないか。
飛ばないといけない場所というのはFFに期待する王道だと思い出した。
剣と魔法がベースであって欲しいがなんらかのテクノロジーが欲しい
これはいつだってそうだったか。でも飛空艇は欲しい。けど別にスチームパンクじゃなくていい。
音楽
いつだって良かったからこの先もいつだって良くあって欲しい。
これまでの作曲家陣に感謝。
改めてキャラクター紹介の動画を見ると、それぞれのテーマソングが良くあっている。200曲に広げられるだけのバリエーション作るの大変だったろうな。
あぁ、これはバッハか、とかこれはあの曲のあの部分かとか、イメージ先がチラッとわかるのも憎い。
終わりに
前書きにも書いたが、賛否は分かれると思う。人におすすめするかと言われると本当に困る。
でも間違いなく自分にとっては面白い物語だった。
プレイ中は嫌なことも良いこともプレイヤーも受け入れて進めていく。
でも最後の最後、その瞬間だけたとえご都合主義であってもご褒美があっても良いのよ。
ファイナルファンタジーなんだもの。
アクションについては今回触れていないが、楽しい。
自分の画面では避けてたということはよく発生する。
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