超大陸の徒然 - What an eventful world! - 田中幹夫

【準急ユーラシア】2002年から20年間、旅行会社のHPで連載した同名の世界の乗物記事https://www.rail-eurasia.deの続きです  【急行ゴンドワナ】古き佳き日本の温泉旅館等   【特急富士】富士山の様々な表情   【超特急パンゲア】雑多なつぶやき

超大陸の徒然 - What an eventful world! - 田中幹夫

【準急ユーラシア】2002年から20年間、旅行会社のHPで連載した同名の世界の乗物記事https://www.rail-eurasia.deの続きです  【急行ゴンドワナ】古き佳き日本の温泉旅館等   【特急富士】富士山の様々な表情   【超特急パンゲア】雑多なつぶやき

マガジン

最近の記事

【超特急パンゲア 2】国難でモノ言う国民的習性② - ロシアの親軍文化

1991年にソ連が崩壊し冷戦が終結して以来30年余、イデオロギーの対立軸も無くなりロシアが欧米に攻められる虞が皆無な中で隣国に大軍で攻め込み、しかもロシア国民の支持率は高いと報道されている。これは報道統制を割り引いても理解困難だ。私は学者でもスラブ専門家でもないが、ドイツの現地校に通っていた子供時代の第二外国語がロシア語だったという昔取った杵柄のせいか、ドイツ勤務時代を含めロシア出張は20回を超えその異世界感はそれなりに理解している積りなので、多少の肌感覚的コメントを試みる。

    • 【超特急パンゲア 1】 国難でモノいう国民的習性① - 新型コロナでは法律より強し

      新型コロナウイルスとロシアによるウクライナ侵攻、全く無関係なこの2つの重大現象は、いずれも無数にある関連要素の中で「国民に広く根付いた習性」が如何に重要な影響を持つかを示した点で共通する。まず新型コロナについて、日本へのコロナ襲来を印象付けたダイヤモンド・プリンセス号の写真を混ぜつつ数字を見ていこう。 国民の習性が感染状況に大きな影響を及ぼしたと思われる数字がある。尚、感染者数は国によってカウント方法の差が大きいので、数字操作の余地が少ないコロナ死者数を、そして国によって人

      • 【特急富士 4】

        静岡県大瀬崎から見た裾野南西側は雄大だ。訪問日は川状の雲が飛竜の如く天をダイナミックに流れていた(静止画なのが残念)。この美しい裾野は全て頂上から噴出した途方もない量の溶岩流が固まって形成されたのだから、さぞ恐ろしい光景だったろう。眼前の駿河湾の海面上を火砕流の高温ガスが走ってきて撮影地点はポンペイ状態だったのではないか。 大瀬神社の背後に宝永火口(1707年噴火)がぱっくり口を開けているのが見える。特急富士2号の3枚目は、頂上の北側から逆に大瀬崎を遠望したものだ。 夕闇

        • 【急行ゴンドワナ 3】長野県 別所温泉・花屋

          別所温泉で検索すれば最上位に表示される花屋は、ほぼ全館が登録有形文化財という美宿だ。 浴衣姿の客がそぞろ歩き和装の仲居さんが早足で通り過ぎる、華美を抑えた渡り廊下には日本旅館の美が凝縮されている。広い敷地の中を細い廊下が分岐していく様子は神社愛好家には厳島神社を、鉄道愛好家には軌道も連想させる。 花屋の廊下の美しさは露天風呂に下る小径でも楽しめる。写真好きがblue hourと呼ぶ日没直後・日の出直前の時間帯は吊り灯篭も良い感じに輝き、特に美しい。温かい季節なら湯上りに涼

        マガジン

        • 【超特急パンゲア】
          2本
        • 【特急富士】
          4本
        • 【急行ゴンドワナ】
          3本
        • 【準急ユーラシア】
          3本

        記事

          【急行ゴンドワナ 2】山形県 白布温泉・西屋旅館

          伊達家の次は上杉家だ。徳川家と敵対した上杉家は関ヶ原後取り潰しこそ免れたものの、会津120万石から米沢30万石に減封された。しかし徳川家との関係修復に努めた筆頭家老・直江兼続が米沢郊外の白布温泉で量産した火縄銃が大阪冬の陣で徳川軍に貢献し、2代将軍・徳川秀忠から感状を得たという。 その白布温泉には江戸時代より続く3軒の茅葺旅館(東屋・中屋・西屋)が平成初期まで残っていたが、2000年に東屋と中屋は惜しくも焼失、かつての姿で令和を迎えられたのは西屋のみとなった。開湯は鎌倉末期

          【急行ゴンドワナ 2】山形県 白布温泉・西屋旅館

          【特急富士 3】

          逗子湾の「太陽の季節 ここに始まる」の碑。石原裕次郎主演映画が湘南で良く撮影されたことに因む。富士山の横でぎらつくオブジェは故・岡本太郎氏の「若い太陽」で、1970年の大阪万博のシンボルタワー「太陽の塔」でもこの顔が用いられた。 逗子湾東浜は隠れた富士山撮影名所だ。手前に海(相模湾)ー 江の島 ー 箱根 ー 富士山が一直線に並ぶ「惑星直列」状態で富士山を眺められる場所だからだ。 The floating Fuji - 手前の箱根と比べ、富士の巨大さは圧倒的だ。逗子湾は太平

          【準急ユーラシア 77】足湯新幹線とれいゆの和モダン空間

          とれいゆつばさで山形新幹線の福島⇔米沢の1区間だけ往復する機会があった。列車(英/Train)+太陽(仏/Soleil)+湯の造語だろうが、この辺りの柔軟性は例えば広島電鉄ピースバーンの平和(英/Peace)+列車(独/Bahn)の如く現代日本語の造語能力の面目躍如だ。 左: 雪国の米沢市内では複雑な形状の着雪防止カバー付の縦形LED信号機を見かけた。右: 米沢駅1番線ホームの、改札と列車のこの近さは在来線の感覚だ。 線名は新幹線だが、奥羽本線を改軌・昇圧して新幹線車両を

          【準急ユーラシア 77】足湯新幹線とれいゆの和モダン空間

          【特急富士 2】

          前回に引き続き、撮り溜めた富士山の空撮画像をご紹介する。 荒々しい夏富士 噴火をしているかのような雲がかかる。背後は西伊豆だ。頂上の直上に見える突起は大瀬崎で、ここから眺める富士山も美しく特急富士4号にアップした。 搭乗機の予定コースでは丁度富士山の真上を飛ぶようモニターに表示されていた。様々な撮影方向の機外カメラを座席モニターに表示できない国内線では真下は見ることができずがっかりしていたら、寸前で僅かに左に逸れてくれて富士山を直近で見下ろすことができた。パイロットさん

          【準急ユーラシア 76】いすみ鉄道の「特に急がぬ」伊勢海老特急で味わう海の幸と昭和ノスタルジー

          昭和末期の1988年に廃止されたJR東日本の木原線(上総中野~大原26.8km)を継承したいすみ鉄道は、大赤字線故に分離された当時と比べ輸送環境が少子高齢化で一層悪化する中での赤字克服というmission impossibleに日々挑んでいる。 地元の足を維持したい千葉県・大多喜町・いすみ市が株式の6割強を持つ典型的な3セクで、鉄道経営のノウハウを補うべく2007年に社長を公募するという荒業を披露、千葉県のバス会社社長・元BA旅客運航部長・香川県のタクシー会社会長が社長を歴

          【準急ユーラシア 76】いすみ鉄道の「特に急がぬ」伊勢海老特急で味わう海の幸と昭和ノスタルジー

          【急行ゴンドワナ 1】宮城県 青根温泉・湯元不忘閣

          Noteではテーマ別に列車名で分けて表記している。温泉宿をテーマにしたこの「急行ゴンドワナ」シリーズで最初に取り上げるのは、蔵王火山のマグマが沸かす青根温泉を代表する湯元不忘閣だ。 戦国末期から江戸初期にかけての英雄、伊達政宗が当時の湯守にここを忘れるまいと言ったことから名付けられたといい、その時から数えると5世紀近い歴史を誇る。コロナ後急速に普及した客室露天風呂は無いが、ここは個浴では無く温泉と建築(国の登録有形文化財が7棟もある)を楽しむ宿だ。客室が14に対して温泉が6

          【急行ゴンドワナ 1】宮城県 青根温泉・湯元不忘閣

          【特急富士 1】

          羽田から関西方面に向かう飛行機が水平飛行に入ると程なく富士山を通過し、運がいいと素晴らしい富士を見ることができる。上記は私の最も気に入りの1枚。これは北麓側で、左の突起は宝永山。 南麓を広角で。 背景は富士市の工業地帯の煙突群。 三保の松原は富士山の定番撮影スポットだが、上空からみるとこんな感じに見える。 早朝のフライトでは多くの乗客は寝ているが、窓の外では見事な赤富士が静かに輝いているかもしれない。雄大な大自然の美と、流線形のパイロン+エンジンの機能美のコントラスト

          【準急ユーラシア 1-75】 とnote村転入のご挨拶

          乗物・鄙の温泉宿・富士山の雄姿を愛する者です。よろしくお願いします。相互に無関係な3系統のテーマを混載するので、以下のように鉄道時刻表スタイルで分別表記します。 【準急ユーラシア】 乗物と歴史のかかわりや東西比較、ユニークな乗物の紹介記事です。2002年から20年にわたり株式会社エイチ・アイ・エスの在英子会社H.I.S.Europe Ltd.(連載当初は在独子会社H.I.S. Deutschland Touristik GmbH)のHPで連載した同名の記事(1~75話)の続

          【準急ユーラシア 1-75】 とnote村転入のご挨拶