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編集者に選ばれるイラストレーターとは?【Vol.1】 あなたはどんなイラストレーターになりたいですか?
こんにちは、響野ライカです。
前回の自己紹介の記事で、たくさんの「スキ❤️」をありがとうございます!
今回はイラストレーターを目指したい学生さんや、新人イラストレーターの方向けの記事を書いてみようと思います。
一定期間は無料公開にしようと思いますが、有料公開に切り替える可能性があるので、少しでも気になった方はぜひこの機会に読んでみて下さいね!
あなたはどんなイラストレーターになりたいですか?
イラストレーターは、今や憧れの職業の一つですよね。
SNSツールが発達したおかげで、昔に比べると気軽にイラストを投稿して、多くの人の目に触れることが簡単にできるようになりました。
逆に言うと、それだけ多くの人が利用し、イラストを投稿しているということ。
そのために、イラストはとても魅力的なのに、多くの投稿者の中で残念なことに自身の作品が埋れてしまう方は一定数いるのではないかと思います。
それでは、なぜあなたはそんな状態でもイラストを投稿するのでしょうか?
自己承認欲求はもちろんあると思いますし、それ以外にも「同志と仲良くなりたいし繋がりたい」「絵が上達する過程を第三者に見てほしい」「ただ絵を描くのが楽しいから載せてる」など様々な理由があると思います。その中でも圧倒的に「誰かの目に止まりたい」「お仕事に繋げたい」という強い思いがある人が多いのではないでしょうか?
さて、そんな中で突出して目立つにはどうしたらいいのか。
その近道はズバリ。
まずは、あなたが「どんなイラストレーターになりたいのか」を自覚することから始まります!
例えば、一言でイラストレーターになりたいと言っても、どんなイラストレーターになりたいか、この記事をお読みになっているあなたは、その先を想像したことはありますか?
もしそこで出版物に関わりたい、という夢をあなたが持っているとします。
それは、どんな出版物でしょうか?
……想像できましたか?
答え合わせとして、ここでイラストが欠かせない主な出版物のジャンルを挙げてみますね。
・雑誌
・書籍の装画、挿画
・実用書
・ビジネス書
・漫画
・塗り絵
・画集
・技法書
・辞典
出版物と言っても、一例で挙げてみただけでこんなにイラストの需要はあるんです!
おまけに、本の媒体によって求められているイラストというものは、実は全く異なります。
簡単にはなりますが、上記に挙げている媒体でそれぞれ求められているイラストの特徴を挙げてみます。
自分のイラストがどんな媒体に合いそうかな〜と想像を巡らせてみるだけでも、自分のイラストを客観的に見るきっかけになるはずです。
①実用書の場合
手芸本や料理本を例に挙げてみますが、場合によっては写真では分かりづらいので、イラストで説明をする場合があります。
その際、求められるイラストは正確に、なおかつ読者が見て分かりやすくその描写を表現できるかです。
デフォルメされているイラストでも、可愛いだけでは情報が正しくないと意味がありません。
監修もしっかり入るので、著者の意図や情報量をうまく自分の中で落とし込み、表現できる方が向いています。
②装画・挿画の場合
装画はまさしく、本の顔になります。
1番分かりやすいのが小説ですね。
本を手に取るとき、はじめに目が行くのが表紙カバーだと思います。
文字組やイラストの配置など装丁デザインの力によるものももちろん大きいのですが、最近ではイラストを起用する小説も増えてきました。
特に文庫のノベルス系小説はほとんどがイラストです。
このように装画は小説の代弁者となるような存在なので、小説の内容や著者の意図・小説の世界観をしっかりと解釈し、ファーストコンタクトで読者に小説の世界観を伝えられるか、また手に取るほどの魅力を備えている描写力なのか。かなりイラストレーターの力量が問われるものだと思います。
また、ノベルス系小説では大体が小説のキャラクターを表紙カバーに持ってくることが多いです。そのため、自分の色を入れつつ、著者や読者が納得する形でキャラクターが表現できるか、という点もイラストレーターにとって大切な要素になるかと思います。
③雑誌の場合
雑誌は扱う内容によりますが、大体はカット掲載になる場合が多いと思います。
例えば占い雑誌の場合だと、星座占いのカットだったり、占いの内容をイラスト化したり、などが挙げられます。
ファッション雑誌のコラムでも、よくイラストカットがついていますよね。
雑誌は実用書などとは異なり、イラストに割くページの割合が少ないので一枚のイラストで説明をしなくてはなりません。
そのため、イラストのインパクトだったり、逆に雑誌の雰囲気に溶け込むようなイラストだったり、説得力のあるキャッチーなイラストだったりと求められる要素は多く、意外にも魅せる技術が必要だったりします。
また、1カットや数カットで数ページ分の内容を要約するようなイラストカットが必要な場合もあるため、それを1カットでどう表現できるか、イラストレーターさんの魅せ方の手腕が問われます。
④技法書の場合
技法書で1番イメージしやすいのが、イラスト技法書だと思います。
イラストレーターを目指す方なら、一度は手に取って読んでみた経験はないでしょうか?
技法書は、簡単に言ってしまうと読者に「イラストの技術を教える本」です。そのため、著者に選ばれる人はある程度のイラスト技術は必須で、デッサン力も必須です。また、その人にしかない技法やイラストの魅せ方ができる人が採用されることが多いです。
ただ、技法書の内容によっては複数のイラストレーターに参加してもらったり、学生を採用するパターンもあります。その場合、私は「正確なデッサンができる人」「真似したいと読者に思われる画風」を第一条件に挙げて選んでいました。
その理由はまた別の記事に挙げたいと思うので、興味のある方はぜひ読んでみて下さいね!
⑤画集の場合
イラストレーターの方だと出版と聞いてイメージするのが、この画集だと思います。
正直なお話をしてしまうと、競争率はとても高いです。
まず、編集者の目に止まらなければならない。
そしてイラストレーターの方が著者となるので、出版市場で考えるとどこまでこの人で本が売れるのか、という売上についても考えなければなりません。
ただ、「結局は売れっ子だけしか通れない道なのか……」と早々に諦めるのはもったいないです。
実は、新人さんにこそチャンスがたくさんあります。
私自身の経験でお話すると、私自身は画集を担当したときに売れっ子を採用したことがほとんどありません。
ほとんどが新人、もしくは売れ始めている魅力的なイラストレーターの方たちを採用していました。
その理由はなぜなのか。
この話をすると長くなるので、こちらも別記事でお話ししたいなあと思っていますが……。
採用基準を一つ挙げるとするならば、「あなたの作品に人を惹きつける力があるか」どうか、なんですよね。
⑥塗り絵の場合
塗り絵もイメージしやすい出版物の一つだと思いますが、こちらも技法書と同じく、新人の方などにチャンスが多い分野です。
ただ、自分の好きなように描いていい、というわけではありません。
塗り絵は他の出版物とは少し異なり、ストーリー性のあるイラストが求められることが多いです。
しかも、大体の塗り絵本は判型が大きいため、ページを開いた時にインパクトのある絵柄だったり、塗り絵ならではの緻密さも必要になります。
また、塗りやすさや「塗ってみたい!」と読者に思ってもらえるような訴求力のあるイラスト作りも求められるので、やりがいのある仕事ではありますが、求められるハードルは意外にも高めだと思います。
大体が購入する対象年齢を想定して企画されている場合が多いので、求められた対象年齢に合うイラストの棲み分けができる方だと、なお重宝されます。
……さて、ここまで例を挙げてみましたがいかがでしょうか?
このように、掲載される媒体によって求められるイラストは変わってきます。
編集者目線でイラストレーターをリサーチする際、
・自分のイラストを客観視でき、自分の持ち味を理解できている人
・自分のイラストの魅力をSNSやポートフォリオでプレゼンできている人
・イラストの引き出しが多い人
・自分の「好き!」やこだわりを突き詰めている人
こんな方が圧倒的に目に止まりやすいです。
上記で共通しているのは、自分の絵のメリットを自分自身がきちんと理解している、ということ。
そのため、「イラストレーターになりたい」と漠然と思っている方は、まずは自分のイラストがどの媒体に向いていそうか、また、「改めてどんなイラストレーターになりたいのか」「誰に向けて描きたいのか」ということをいま一度考えてみると良いと思います。
その道筋が見えてきたら、改めて自分のイラストの見せ方を考えてみましょう。
漠然とイラストレーターになりたい、ではなく、戦略的に考えてみる。
これが、編集者の目に止まるためのファーストステップです。
ここまでお読みいただき、ありがとうございました!
今後も連載のような形で、イラストレーターの方を対象とした記事を定期的に書いていこうと思っています。
イラストレーターを目指す方にとって、何かの参考になれば嬉しいです!
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