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ホットカルピスで思い出す景色

暖房をいれてるのになかなか部屋があったまらないくらい寒い日だった。

気持ち的にもちょっとつかれていて、寒さがよけいにこたえる。 

あったかいもの、飲もう、と思う。

朝からホットティーを飲みながら仕事をしていたから温かい飲み物は飲んでいたんだけど、心も体もあったまるようななにかに癒やされたい気持ちだったのだと思う。

なにを飲もう。

頭に思い浮かんだのはホットカルピス。

これだ!と思って、お湯をわかして、その間に大きめのマグカップにカルピスをそそぐ。

沸いたお湯をそうっとマグカップにいれて、スプーンで混ぜながらまだ熱いホットカルピスを一口。

口の中にホットカルピスの味が広がると同時に、目の前に小学生の頃のキャンプの焚き火の風景がよみがえる。

家族でよく出かけたキャンプ。

暗くなると焚き火を囲んで家族みんなでおしゃべりしたり、弟たちは小枝を燃やして遊び、わたしは焚き火の灯りで本を読んでいることも多かった。

寝る前の焚き火タイム。

そのときに母がいつもつくってくれたのがホットカルピスだった。

キャンプ場で焚き火を囲んで飲むホットカルピスは特別おいしかったのだ。


寒い日にふぅふぅとさましながら飲むホットカルピスは、そんなキャンプを思い出してつかれた心もちょっとあったまる味がした。



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みたむらさやか
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