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わたしの中にある「母」の割合

育休中ほど、1日を長く感じたことはない。

働いていたときには「やばいもう16時!時間ない!仕事終わらない!」なんて思っていた16時だったけど、育休中はなかなか16時にならなかった。

やっと16時になってからも、息子が泣き出すたびに夫が帰宅する19時まで何度も何度も時計を見て、ため息をついていた。

話ができない赤ちゃんと1日ずっとふたりきりで過ごすことの孤独、みたいなことがよく言われて、たしかにそういう側面もあるのだけど、産後すこしたった頃に小説家である平野啓一郎さんの『私とはなにか』を読んで、当時のしんどさってこれだったのかも、と思った。

私たちは、日常生活の中で、複数の分人を生きているからこそ、精神のバランスを保っている。会社での分人が不調を来しても、家族との分人が快調であるなら、ストレスは軽減される。逆に、どんなに子供がかわいくても、家に閉じこもって、毎日子供の相手ばかりしている(=子供との分人ばかり生きている)と、気分転換に外に出かけて、友達と食事でもしたくなるだろう。専業主婦の育児疲れを理解するには、その分人の構成比率に対する配慮が必要だ。(『私とはなにか』平野啓一郎 より)

編集を担当している漫画連載『コビット』の2話が公開されたのだけど、「ハハ」が肥大化しているという状況というのは、その真っ最中にいるとなかなか気がつくことができなくて、バランスが崩れそうになって(もしくは崩れて)はじめて気がつくようなものなのかもしれなくて。

その真っ最中になる前に「複数の分人によって精神バランスを保てるのだ」ということが、とくに子育てにおいて認知がされていくと、物理的にも精神的にも孤独になりがちな子育てが、もっとべつのスタイルになっていくんじゃないだろうか。みたいなことを最近思っている。

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ツイッターでこんな感想をいただいたのですが、「ハハ」や「チチ」の割合って、みんなどんな感じなんだろう。

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みたむらさやか
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