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報道機関としての地上波テレビは健在です

 先週から始まったシリア内戦での反政府勢力のあまりにも早い反攻とアサド政権の崩壊、そして白色クーデターが完全に未遂に終わり椅子を尻で磨く以外のことが許されなくなった韓国の尹大統領の現状を見てると、この2024年は世界各地で「政権側」が敗北し続ける一年だったと改めて実感させます。

 これは、単純に世界が右傾化してるとか権威主義の台頭といったものではなく、既存の政権や体制による秩序が限界を迎えつつある、それを社会そのものが直視させようとしていると解釈した方が実態に近いでしょう。実際、日本だって先の総選挙で自公過半数割れという事態になってるわけですし。

 これから世界で、そしてこの国の社会で、否応もなく変化が突きつけられることになるでしょう。
 そうなったとき、事実を冷静に捉えるにはどうすれば良いか。
 ひとつには、センセーショナルな事件が起こったら、SNSのTLを見るより先にテレビをつける習慣をつけることでしょうか。

 地上波テレビについては「オワコン」との評価がネットでは定着してしまってます。
 でも、それは一面的な決めつけではないでしょうか。

 韓国の戒厳令布告でもそうでしたが、日本のテレビ局はリアルタイムでは予定を変えて報道しなかったことでSNSでは叩かれました。
 しかし、一夜明けてからは、事件そのものだけでなく歴史的背景、我が国への影響まで含めた専門的かつ多面的で、何より冷静さを伴って報道されました。これが、予算と人員と幅広い情報源を持っているテレビ局という報道機関の存在価値なんです。
 地上波テレビ各局は、リアルタイム速報を放棄して、その分だけ深く正確な内容をまとめることを選択した、その理由は視聴者のほとんどがテレビの前にいない深夜という時間を考慮してのこと、ただそれだけのことなんです。
 事実、日本時間で言えば昼に発生したダマスカス陥落については、NHKが昼のニュースで報じてしました。
 時間帯によって対応が変えることが、それほど責められることでしょうか?

 今でも報道機関としてのテレビ局には存在価値は損なわれていません。
 むしろ、SNSや動画配信サイトによる煽動の危険性が可視化されるようになった今こそ、地上波テレビという報道媒体に対して信頼を寄せるべきだと、より強く感じるようになりました。

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